経営の健全性・効率性について
経費回収率は99.67%で、下水道使用料にてほぼ賄えており、類似団体平均値、全国平均と比べ優位で健全である。汚水処理原価についても、平成26年度から地方債償還金が減少したことにより緩やかに下降しており、人員の削減、民間への業務委託の見直し等、施設運営について徹底した合理化・効率性を図ったことも要因と推測される。しかしながら、企業債償還金額が減少し収益的収支比率が上昇に転じてはいるものの、依然、経営費用における企業債償還金の割合は高く、企業債残高対事業規模比率は、全国平均、類似団体と比較して優位ではあるが、償還すべき企業債残高は高額である。
老朽化の状況について
昭和56年度に下水道を供用開始してから30年以上が経過し、下水処理場や汚水管渠が老朽化している。平成21年度に下水道施設に係る長寿命化計画を策定し、処理場、ポンプ場の耐震化及び施設の更新等整備を順次行っている。今後は、長寿命化計画に従い設備の改築、更新を行っていくとともに、管渠についても長寿命化計画の策定、耐震化等の実施が急務である。
全体総括
積極的に下水道整備を行い、水洗化を促進してきた結果、水洗化率は99%に達しており、施設利用率についても、類似団体平均値、全国平均と比べ比較的優位である。なお、市内において3箇所の区画整理事業が進行中で、今後、事業の進捗に伴い施設利用率は上昇に推移していく見込みである。また、経費の回収については下水道使用料にてほぼ賄えており、汚水処理原価についても類似団体平均値、全国平均と比べ優位である。しかしながら、償還すべき企業債残高は高額で、経営費用のうち地方債償還金が占める割合が高いため、低金利の借換債を発行することで償還額を抑え、さらには建設コストの縮減に努め必要に応じて整備計画の見直し等も行いながら企業債の抑制に努める必要がある。