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財政力指数は、類似団体内平均及び全国市町村平均を大きく上回っている。緩やかな景気回復や企業業績の伸びを受けた市民税の増収などにより、基準財政収入額の増加分が基準財政需要額の増加分を上回ったこともあり、昨年度の数値を上回った。しかしながら、基準財政需要額において、今後も社会福祉費や高齢者保健福祉費が増加し、厳しい財政状況が続くと見込まれるため、歳入確保を中心とした財政基盤の強化と行財政運営の効率化に努める。
地方消費税交付金等の増加により一般財源は小幅な増加をしたものの、それ以上に人件費、繰出金、扶助費等が増加したため、経常収支比率は1.9ポイント悪化した。依然として高率で推移しており、財政構造の硬直した状況が続いている。今後も社会保障関係経費や施設更新費等の増加が見込まれ、財政状況の硬直化が不可避となっている。こうした状況を踏まえ、ファシリティマネジメントによる施設再編の推進、事務事業の統廃合等による行政改革の推進及び財政構造の健全化・弾力性の確保に努める。
人件費、物件費については、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて下回っているものの、27年度は人事院勧告に準じた職員給与等の改定に伴い、人件費が増加した。また、物件費においても、公定価格の上昇による保育園の指定管理料の増加、児童クラブを指定管理にしたことによる指定管理料の増加等により、昨年度に比べ増加している。今後も内部管理経費の見直しや、事務事業の統廃合等を図り、コスト削減に努める。
ラスパイレス指数については、年々上昇しており、類似団体では最高値、全国市町村平均との比較でも高い値となっている。その主な要因としては、退職者の増加や職員構成の偏りに伴い、課長級や課長補佐級への昇格の低年齢化が進んでおり、中間層の階層別の平均給与が大きく上昇していることなどが挙げられる。今後もこの傾向がもうしばらく続くことが予想されるが、引き続き給与の適正化に努める。
人口千人当たりの職員数については、愛知県市町村平均及び類似団体内平均より上回っているが、全国市町村平均と比べると下回っている。限られた職員による効率的な運営を行っていると認識しているが、育児休業職員の代替職員を雇用するなどの措置も必要となってきている。今後も行政サービスの提供体制を工夫し、最適な組織規模で効率的な行政運営を行うよう努める。
実質公債費比率は、公営企業の地方債の補償金免除繰上償還による準元利償還金の抑制や、過去に高金利で借り入れた事業債の償還が進んだこともあり、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて下回っており、今後も現行の水準で推移することが予想される。公共下水道事業などの普通会計以外の会計で借入を行っている地方債の割合が他団体に比べ高いことなど、本市固有の事情もある。今後も、世代間の負担の公平化と将来負担のバランスをとりながら、適切な地方債の発行管理に努める。
将来負担比率は、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて下回っており、他団体と比較すると非常に抑えられているが、これは市債発行の抑制などにより、以前から将来負担額の低減に努めてきた結果である。昨年度を上回ったのは、公立陶生病院組合の地方債償還に係る組合負担等見込額の減少、土地開発公社経営健全化計画に伴う公共用地の先行取得事業の債務負担行為に基づく支出予定額が減少したこと、下水道事業に係る公営企業債等繰入見込額が減少したことがなどが要因となっている。今後も、市債発行の適正化、公営企業においては独立採算制の確保に努めるととともに、将来負担比率の動向に留意し、健全な財政運営を図る。
人件費に係る経常収支比率は、類似団体内平均の値を3.4ポイント上回る結果となった。定員適正化計画に基づき職員数及び給与の適正化を進めていいるが、27年度は人事院勧告に準じた職員給与等の改定に伴い、職員給、期末勤勉手当等が増加し、経常経費に占める人件費の割合が増え、昨年度に比べ0.9ポイント増加した。今後とも行政サービスを維持しつつ、内部事務の見直しや組織の簡素化を進め、人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率が高率で推移しているのは、業務の民間委託化により職員人件費から物件費(委託料)へのシフトを進めてきたことによるものである。27年度は公定価格の上昇による保育園の指定管理料の増加、児童クラブの民間委託等の影響もあり、0.5ポイント増加となった。今後も内部管理経費の見直しや事務事業の統廃合等を図り、物件費の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、0.5ポイント増加したものの、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回っている。増加した主な理由は、介護給付・訓練給付費、障害時通所給付費等が増加したためである。今後も高齢化の進展により、扶助費は確実に増加していくことが見込まれている。
その他に係る経常収支比率は愛知県市町村平均を上回り、全国市町村平均と同じで、類似団体内平均を下回っており、昨年度から0.6ポイント増加した。この経費の多くを占める公営事業会計への繰出金(経常経費分)の増加が主な要因であるため、事業の一層の効率化及び適正化を図ること等により、税収を主な財源とする普通会計からの繰出金の縮減に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、長期間に渡り経常的に支出されている補助金等の見直しを進めていることなどから、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回っており、概ね適正な水準にある。昨年度から0.8ポイント減少したのは、地方消費税交付金等の増加により、分母となる経常一般財源が増加したこと、分子となる経常経費充当一般財源等のうち一部事務組合に対する補助費等が減少したことにより、減少したためである。今後も補助金の廃止、縮小、統廃合等の見直しを行い、補助費等の削減に努める。
公債費に係る経常収支比率は土地開発公社経営健全化計画に伴う公共用地先行取得等事業債の償還が始まったこともあり、0.2ポイント増加したものの、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均を下回っている。これは、過去の高金利及び大型事業の地方債の償還が進む中で、新発債抑制を進めてきた結果によるものである。今後も、適切な地方債の発行管理に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、物件費及び人件費に占める経常一般財源等の割合が高いことから、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てを上回っている状況にある。しかしながら、1人当たり決算額で比較した場合の人件費、物件費等においては、類似団体内平均、全国市町村平均、愛知県市町村平均の全てにおいて下回っている。今後も引き続き、歳出削減を図るとともに、内部管理費の見直しや事務事業の統廃合を図り、物件費等の削減に努める。
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