地域において担っている役割
人口18万を超える日野市において総合病院としては唯一の急性期中核300床の2次救急病院であり、災害拠点病院となっています。病病・病診連携による近隣の医療機関との役割分担の中、地域に密着し、主要な疾患の初期診断治療を担うとともに、市民の安全安心のため、内科系、外科系、小児科、産科は24時間365日の救急医療体制で診療を行っており、10月には東京都の事業として周産期母子医療センターとの連携のもと、東京都周産期連携病院としての認定も受け対応を開始しています。
経営の健全性・効率性について
・①経常収支比率、②医業収支比率は、新たな施設基準として総合入院体制加算3の取得、東京都周産期連携病院認定による委託料の確保、季節的に空床が目立った秋期間の対策として、救急受入推進事業を中心とした秋対策を実施。また、医師不足時に大幅に増額した手当の見直しを行うなど人件費の抑制、開院後16年が経過し、施設設備関係の大幅な減価償却費の減少から収支が改善し、平成14年の新病院開院以来初めての経常収支の黒字化を達成することができました。・③累積欠損金比率は黒字化により若干の改善も平均を下回る状況が続いており、更なる改善を進める必要があります。・④病床利用率は平均を上回っておりますが、⑤入院患者1人1日当たり収益、⑥外来患者1人1日当たり収益ともに平均を下回っておりその改善が必要です。・⑦職員給与費対医業収益比率は医師人件費の見直しの効果等から数値上問題はありませんが、外注化が進んでいることから委託等経費比率も含めた適正化を進める必要があります。
老朽化の状況について
・①有形固定資産減価償却率、②器械備品減価償却率は共に予算執行をおさえつつ機器などの更新を進めていることから平均を上回り漸増が続いておりますが、急性期病院としての機能維持、更なる充実のため、計画的な設備・機器の更新が必要です。・③1床あたり有形固定資産は電子カルテシステムのリース満了により一時的に低下したものの、翌年には再度計上の予定であり、災害拠点病院として免震構造の施設であるなどの理由等から、平均と比較し高い状況は続いており、設備・機器の更新の中で適正化を検討していく必要があります。
全体総括
改革プランに基づき、急性期病院としての役割の明確化と継続的な収支改善への取り組みが必要です。将来の地域医療支援病院の承認も目指し、令和3年予定の地方公営企業法全部適用移行も契機として更なる職員の意識改革と経営改善への取り組みを推進します。・収益面では地域の医療機関との役割分担を進め、適切な逆紹介と、紹介、救急受入れの増、新たな施設基準の取得や、コメディカル等による各種加算の増等をはじめとした診療単価の向上に取り組みます。・費用面の改善は、人件費については業務の効率化、手当等の見直し等による比率の適正化、材料、経費については担当する委員会、部門によりジェネリック、同種同等品への切替推進を更に図ります。・施設・設備は、医療機器等4カ年整備計画及び施設設備の大規模修繕計画を策定しており、計画的な更新を進めます。