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税率引き上げによる地方消費税交付金の増額により全国的に財政力指数は上昇するなかで、人口減少等特別対策事業費の創設に伴い、本市においては基準財政需要額も増額となったことにより、財政力指数としては前年度並の0.88となったが、類似団体平均との差は縮まっている。安定した財政運営を行うためには、税収等の自主財源確保は必要不可欠であり、引き続き現役世代の転入促進や徴収率の向上など図っていきたい。
公共施設が充実している本市においては、これまでも経常収支比率は比較的高水準で推移しており、平成27年度においては消費税交付金や普通交付税の大幅増額により数値は改善し類似団体の平均以下となったものの、相応に財政は硬直化している状況となっている。加えて保育園運営費負担金等の増により扶助費は増加しており、また公債費の増加も見込まれることから、今後も厳しい財政運営を強いられる見込みである。医療費削減の取り組みや公共施設総合管理計画に基づいた施設更新を進めるとともに、引き続き自主財源の確保に努める。
人件費については、正職員数を抑制しつつ、行政サービスの低下を招くことがないよう、非常勤職員による対応とすることで、市全体の人件費総額の抑制に取り組み、全国自治体、及び類似団体と比較しても低額で推移している。今後は、市民サービスの向上を第一に考え、必要な職員数を適切に把握したい応じていく。また、物件費については、施設・備品等の老朽化や、システム保守管理経費等により増加傾向にあり、今後光熱水費も含めた管理経費の抑制が必要である。
職員の給与については、職員数の抑制に加え、年功序列を廃止し、勤務評定に基づいた能力給を導入していること等により、類似団体と比較して4.0ポイント低くなっている。平成27年度は、人事院勧告の基づき給与増となったため、平成26年度と比べて増加している。今後も、職員の能力に応じ、適正な評価を行い、適正な給与の支給を行っていく。
これまで本市では、正職員数の抑制に努めてきており、当該値には非常勤職員を含んでいないことから、全国の市町村及び類似団体と比較しても、低値で推移している。定員数については、正職員数を減少させることに捉われすぎることなく、値としては見えにくいが、市民満足度と実際の運営状況を勘案しながら、適正な数となるよう、管理していく。
これまで公債費の抑制に重点をおいた財政運営に取り組んできた結果、将来負担比率と同様に改善されており、類似団体と比較して4.6ポイント低くなっている。しかし、特に人口増加著しいひたち野うしく地区への中学校建設や、国体開催に向けた体育施設整備事業などに伴う、大規模な地方債発行が見込まれ、公債費の増加が見込まれる。今後は、増加が見込まれる公債費に注視しつつ、医療費削減の取り組みや基金残高の確保に努め、全体的なバランスを考えた財政運営が必要となる。
地方債残高の減少に継続的に取り組んできており、平成26年度に続き、平成27年度も数値なしとなっている。しかし、特に人口増加著しいひたち野うしく地区への中学校建設や、国体開催に向けた体育施設整備事業などに伴う、大規模な地方債発行が見込まれ、地方債残高の増加が見込まれる。将来世代にただ負担を先送りにするのではなく、未利用地売却などによる基金の残高確保や、財政措置のある事業債の選択など、将来的な財源の確保に努めていく。
これまで、正職員を抑制し、一方で行政サービスの低下を招くことがないよう、非常勤職員による対応を進めてきた結果、市全体の人件費総額の抑制をすることができたため、全国自治体、及び類似団体と比較しても低値となった。今後も人件費抑制に取り組む一方で、市民サービスの向上を第一に考え、職員数の適正管理、並びに正職員、非常勤職員のバランスについても考えた、組織づくりに取り組む。
クリーンセンターや、生涯学習施設等を抱える本市では、これまでも物件費が高止まりする傾向にあり、経常収支比率全体を押し上げる形となっている。さらに近年では予防接種の拡充に取り組んでおり、予防接種業務委託費も年々増加しており、物件費全体では、全国平均、類似団体と比較しても高い値である。政策的に拡大をすることによる負担増など、やむを得ない面もあるが、施設の管理等に要する経費については、今後抜本的な見直しを行いたい。
民間保育園の建設が進み、民間保育園への運営補助が増額となる一方で、健康増進策に取り組んできたこと等により、扶助費全体額では、全国平均、類似団体と比べて、低値で推移している。しかし、扶助費全体では増額傾向にあり、近年では障害者介護給付費等の増額も著しいことから、今後も扶助費抑制につながる施策に積極的に取り組んでいきたい。
公共施設を多く抱える一方で、著しい維持補修工事等の増加は未だ見られず、その他の経費についても平均値よりも低値で推移している。しかし、前述の通り、本市では多くの公共施設を有しており、またそれぞれの施設の老朽化の問題が顕在化してきたことから、今後各施設の老朽化に伴う、維持補修費の増額が懸念される。施設の老朽化に伴う補修等は一部やむを得ない面もあるが、その平準化に取り組むとともに、経費についても不必要なものがないよう、管理していく必要がある。
市民の活動を推進する為には、補助金の支出は必要でこれまでも全国平均、類似団体の平均値よりも低値で推移している。補助費については、一部事務組合の償還が減少傾向にあること、また、平成27年度においては、経常的な補助費の一部を、経済対策事業として実施したことに伴い、減額となっている。補助費については、その金額が適正か否かを適正に判断し、不必要な支出の抑制に努めていきたい。
これまで、公債費の残高抑制に取り組んできた結果、公債費についても減少の傾向が見られ、各年度とも、全国平均、類似団体値と比較しても、低値で推移している。今後、中学校建設や、武道場建設など大型事業が計画されており、それに伴い、ある程度の公債費の増加も懸念されるが、引き続き公債費残高抑制に努めるとともに、毎年の償還額の平準化にも取り組んでいきたい。
平成27年度は経常一般財源が増額となったことから、指標値の改善が見られるものの、多くの公共施設を抱えること等から、物件費の高騰等により、全国平均及び類似団体と比較しても、高止まりしている傾向にある。維持補修工事の今後の高騰等が懸念されるが、経常収支比率全体のこれ以上の高騰は、財政運営に大きな影響を及ぼすものであることから、経常経費全体の圧縮につとめていきたい。
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