経営の健全性・効率性について
指標全般において、平成24年度を境に数値の変化がみられるが、これは簡易水道の一部がこの平成24年4月より上水道へ統合したことによるものである。経営全般について、現在のところ安定した状態を継続している。経営について、企業債利息償還について繰入基準に基づき一部一般会計繰入を行ってもらっているが、その他は水道事業の収益で賄っており毎年経常利益を上げている。流動比率も安定した状況を保っている。ただし、有収水量の減少にともない、水道料金の増額は今後は見込にくい。営業費用の削減につとめなければならないが、動力費などの固定経費は今後も減少は見込めないと考える。よって、更新投資等に充てる財源の確保が今後厳しくなる見込である。しかし、現状においては、給水減価も減少傾向であり、水道料金の設定は適正であると思う。また、料金の回収率も良好である。給水収益に繋がる有収水量の減少の要因は、近年の節水傾向や人口減少が影響していると考えられる。そのため、有収率も横ばいもしくは減少傾向にある。漏水などについては、定期的な調査を行い対応を行っている。今後は、計画的に経営状況の把握を行い、適正料金の検討並びに維持管理等の経営の見直しを行って行く必要がある。
老朽化の状況について
法定耐用年数の超えている資産や有形固定資産減価償却率は約30%ととなっている。管路においては、下水道事業整備時に併せて一部布設替等を実施している。また、資産によっては法定耐用年数を経過していても、まだ充分に対応できる状況のもあり、即更新対象とならない場合がある。よって、実情の把握が重要である。管路についても同様なことが言える。ただし、更新における財源の確保が重要であり、今後は経営の改善計画と併せて更新投資計画の作成が急務であると考える。
全体総括
現在のところ、内子町水道事業は他の類似団体と比較しても安定した経営状況である。ただし、今後、社会情勢でもあります人口減少は当町でも免れることはできない状況であり、それに伴い有収水量の増加も見込めない。有収水量の増加が見込めないということは、それに繋がる給水収益も減少するということである。しかし、営業にかかる費用のうち、動力費などの固定費については減少は見込めず、逆に増加する傾向にある。また、耐用年数の経過した施設も発生し更新費用も増加する。水道事業において、更新計画も含め経営計画を作成するとともに料金の見直しも今後の重要検討課題となる。このような中、平成28年度から、簡易水道事業が上水道事業へ統合することとなり、これまで以上に経費の増加が見込まれる。まずは、簡易水道事業との統合後の経営を安定させることが喫緊の課題である。