経営の健全性・効率性について
類似団体と比較すると施設利用率・有収率は高い。投資の効率化や、維持管理費の削減といった経営改善を行っているが、H28年度に前年度と比較し給水原価が上昇し、経常収支比率及び料金回収率が前年度を下回ったのは高度浄水設備のオゾン発生装置のオバーホールを実施したためであるが、類似団体平均値と比較しても同等である。以上の点から健全性は保たれているが、平成25年度の経常収支比率が単年度だけ100%をきっているのは、高度浄水設備のオゾン発生装置のオバーホール、粒状活性炭の入替等の修繕費、香川用水土器川沿岸農業水利事業共同工事の負担金が単年度に集中し営業費用が前年度比119%と上昇し純損失を計上したためである。平成26年度からは設備等に係る定期修繕費用の支出に特別修繕引当金を計上している。今後も施設更新等の計画的投資、運転管理費等維持管理費の計画的な削減に努めていく。有収率については平成25年度が低下しているのは、漏水個所の発見に時間がかかり給水量が増加したためである。平成26年度から給水区域を区分けし、計画的に漏水調査を行い老朽管の更新を行っているためH28年度から大きく上昇している。企業債残高対給水収益比率の平成24年から平成27年にかけて年々低下していた理由は企業債の償還が進み債務残高の減少を反映した。平成28年度から水道施設の強靭化の一環として老朽管の更新事業を実施したことでわずかに上昇した。今後も老朽管の更新の計画があり、企業債残高対給水収益の比率は同水準で推移していく見込である。
老朽化の状況について
管路更新が平成26年度までに比べ平成27年度からの管路更新率は増加している。経年管はないが、平成27年度から計画的に老朽管の更新及び耐震化を実施している、今後も着実に管路の更新及び耐震化を行っていく。有形固定資産減価償却率が平成26年度から上昇している。これは、平成26年度から固定資産のみなし償却制度が廃止され、通常償却への修正を行ったことによる。
全体総括
経営については、類似団体と比較しても健全であるといえる。平成29年4月に簡易水道を統合し、平成30年4月には、17団体(香川県及び8市8町)で構成し県内の水道事業を統合運営する香川県広域水道企業団に参画する予定である。まんのう町水道事業としては平成29年度をもって廃止することとしているため、平成29年度のみの経営戦略を策定し、平成30年度からは企業団としての経営戦略に基づき事業を行っていく。