地域において担っている役割
本院は、急性期医療とともに政策医療を担う地域の中核病院として、医療の質の向上と経営の安定化に努めるとともに、患者やその家族に信頼され、安心して医療・看護が受けられる病院づくりに努めています。また、「地域周産期母子医療センター」、「関節治療センター」、「がんセンター」を3本柱として、地域に特色のある医療の提供を行うとともに、「患者支援センター」を軸に、患者中心の医療・看護の提供に努めています。
経営の健全性・効率性について
平成30年度決算は黒字であったことから、経常収支比率及び医業収支比率は類似病院平均値を上回る結果となりました。医業収益については、入院単価は例年並みですが、外来単価は年々増加しております。また、病床利用率は直近5カ年では高水準であったことが黒字要因と考えられます。但し、外来単価の増加に付随して材料費が年々増加傾向にあること、職員給与費も類似病院平均値は下回っているものの、今後増加が見込まれることから、引き続き費用の効率的執行等により、経営の健全化を図る必要があります。
老朽化の状況について
当院は、平成20年1月の新病院開院から今期で11年目と比較的新しい施設であり、有形固定資産減価償却率は平均値を下回っております。また、開院時に医療機器も新調しておりますが、平成27年度以降は当該機器の更新時期を迎え、随時医療機器の更新を進めているため、器械備品減価償却率は減少傾向にあります。今後、病床規模に対して過大投資とならないよう、導入機器選定の厳格化により、採算性のある適正な設備投資に努めていきます。
全体総括
平成30年度決算については、病床利用率の向上によって黒字が確保できたため、各経営指標は改善しております。但し、今後は固定費である職員給与費の増加が見込まれることから、黒字確保は今までよりも困難なものとなることが見込まれます。地域に求められる病院として、今後も政策医療を中心とした安心・安全な医療の提供を続けていくために、より一層の経営強化に努めていきます。