経営の健全性・効率性について
単年度の収支を示す「①経常収支比率」及び給水に係る費用がどの程度給水収益で賄えているかを示す「⑤料金回収率」は100%以上の黒字状態であるが、人口減少等から減少傾向にあるため将来を見据えた料金を検討する必要がある。給水収益に対する企業債残高の割合を示す「④企業債残高対給水収益比率」は40年間に及ぶ建設改良の積み重ねに伴い557.41%と類似団体よりも高い数値で増加傾向にあり、投資規模に対する適正な更新計画の検討が必要である。一日配水能力に対する一日平均配水量の割合である「⑦施設利用率」は、節水意識の向上と人口減少等により63%台での推移が続いているが、類似団体よりは高い数値となっている。しかし、年間総配水量に対する年間総有収水量の割合である「⑧有収率」は、漏水等により80.58%とH26年度に続き類似団体より低い数値を示しており、有収水量1㎥あたりの費用を表す「⑥給水原価」も維持管理経費の増加で186.34円と類似団体よりも高い数値で推移していることから、今後は維持管理経費(漏水対応等)と投資的経費(管路更新等)に係る計画的かつ効率的な経営改善が必要である。
老朽化の状況について
昭和49年度から供用開始しており、現在40年を経過した水道管が53.5%に達し、更新の時期を迎えている。管路更新率は、H27年度には0.83%を更新しているが、今後は老朽管・老朽施設等更新需要が増加するため、長期的展望を再考した安芸高田市水道ビジョンを策定し、計画的かつ効率的な更新を実施していく必要がある。
全体総括
給水区域内人口が減少する中、経営の健全性と効率性を高めるため、平成28年度中に経営戦略を策定し、将来を見据えた料金改定等により料金収入を確保するとともに、統廃合も含めた計画的な施設の更新と維持管理を実施していく必要がある。