地域において担っている役割
本院は、幅広い疾患に対して効率的な医療を提供する急性期病院の役割を担うとともに、北河内唯一の市立病院として、救急医療や災害時医療、小児・周産期医療などの政策的な医療を担っている。
経営の健全性・効率性について
入院・外来収益ともに前年度より増加し医業収益は82億2,864万円となったが、医師や看護師等の採用により給与費が1億2,035万円増加し、手術件数や抗がん剤の使用量の増加に伴い材料費が9,526万円増加したことなどにより、医業費用が前年度と比べ増加し93億2,715万円となった。医業収支は約10億9,851万円の支出超過となり、総収支も約3,018万円の純損失となった。経営の健全性を示す経常収支比率・医業収支比率については、昨年度から改善しているものの100%を下回っている。累積欠損金比率については、市議会の議決を経て自己資本金を減少し繰越利益剰余金に振替を行ったことから大きく改善した。外来患者1人1日当たり収益については、検査収益が少ないことにより類似病院平均値より下回っている。また、材料費対医業収益比率は、医業収益に含まれる一般会計繰入金が他病院に比べて多いため、類似病院平均値を下回っている。
老朽化の状況について
当院は平成26年9月に開院し、平成30年度で開院5年目となった。現在のところ施設に大きな老朽化は見られないが、24時間稼働していることから、施設更新計画を踏まえ、現状に合わせて計画的に修繕・改修等を行っていく必要がある。器械備品減価償却率については、新病院開院に向け整備を行った多くの医療機器が償却終了に近づいていることから増加し、類似病院平均値を上回っている。機器更新計画に基づき計画的に更新していく必要がある。
全体総括
医業収支は、支出超過となっていることから、引き続き、救急搬送患者の受入れ促進や、積極的な地域医療機関への訪問により信頼を高め、紹介率・逆紹介率の向上を図ることで、医業収益の増加に努める。また、平成31年4月から消化器内科と消化器外科を一元化した「消化器センター」を本格稼働させ、臓器ごとに専門性の高いスタッフのもと、がんをはじめとした消化器疾患に幅広く対応し、これを柱とする収益構造の構築を図り、病床利用率の向上に努める。