経営の健全性・効率性について
経常収支比率は126.61%で、前年度比2.44ポイント向上しました。これは、修繕費や動力費等施設管理費の減が主な要因となっています。また、累積欠損金比率は昨年度に引き続き0.00%となっています。流動比率は1,229.64%で、前年度よりさらに向上しており、短期的な支払い能力には問題ない状況が続いています。企業債残高対給水収益比率は500.02%で、類似団体平均422.50%や全国平均270.87%を上回っています。これは、白鳥上水道の供用開始が平成9年度で、水道事業としては比較的新しく企業債残高が大きいためと考えられます。企業債を財源とする大きな設備投資予定はないため、今後も順調に減少していく見通しとなっています。料金回収率は108.64%で、施設管理費や支払利息の減により、前年度比3.2ポイント向上しています。同様の理由により、給水原価も123.76円となり、前年度比3.71円減少しています。類似団体平均179.16円や全国平均163.27円と比べ安価であるのは、郡上市合併以降進めてきた職員数の削減を始めとする施設管理費用の削減と、郡上の恵まれた良好な水源水質によるものと考えられます。有収率は近年の漏水対策の取り組みにより年々向上していましたが、今年度は84.50%となり前年度比0.56ポイント低下しました。今後も、職員による夜間漏水調査を継続します。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は48.30%で、類似団体平均48.14%や全国平均47.91%とほぼ同水準となりました。管路更新率は0.00%です。今後、耐用年数の到来を見据えた計画的な管路の更新が必要であり、耐震化を兼ねた更新をH32年度から着手する予定としています。
全体総括
職員数の削減や支払利息・減価償却費の低減により経常費用は減少傾向に有りますが、一方で、収益面において、継続する人口減少や市民意識の変化による節水型社会への移行により料金収入が減少するなど、水道事業を取り巻く環境は極めて厳しいものとなっています。安心・安全な水を安価な料金で安定的に供給するため、適正な維持管理に努めるとともに、更新投資についても、施設・設備の重要度や老朽化度合等に重点を置き、財政状況のバランスの取れた効率的・効果的な更新を進めるため、郡上市新水道ビジョンの策定に取り組みます。