地域において担っている役割
伊南4市町村地域の中核病院として、急性期医療を基盤に、在宅復帰を支援する回復期リハビリテーション、医療と介護の連携による地域包括ケアの構築による地域医療を目指し、地域住民の安心、安全のよりどころとして、質の高い医療の提供に務めています。
経営の健全性・効率性について
通常の病院活動による収益状況である経常収支比率は黒字を表す100%以上の数値を維持できています。医業活動でかかる医業費用を医業収益でどの程度賄えているかを表す医業収支比率は96.5ポイントで平均を上回り推移しています。病床利用率は許可病床300床では65%前後ですが、地域の実情に合わせ実際に運用している病床(稼働病床)は239床で、その場合の利用率は80%前後となっています。H30年度は心臓カテーテル手術や抗がん剤の増加により高額な薬剤、材料を必要とするため、⑧材料費の比率が大きく伸びましたが合わせて入院、外来収益も増加しています。引き続き第二次経営計画の達成に向け経営改善に努めます。
老朽化の状況について
病院建築から36年が経過し、建物設備の老朽化は避けられないものとなっています。老朽化を表す有形固定資産減価償却率は平均値を20ポイント程度上回っており、数値上も老朽化が確認できます。これまでに計画的に回復期リハビリ病棟や一般病棟改修、ヘリポート建設、地域包括ケア病棟改修等建物設備の改修を順次行い、また器械・備品では電子カルテ導入やMRI、CT、血管撮影装置等の更新やその他機器の整備を実施しています。令和元年度からの第二次経営計画後期計画では、新病院建設も目標であり、大規模改修工事の計画は現在ありませんが、令和元年度に電子カルテシステムの更新のため、令和2年度以降の減価償却費、起債償還額の増加を見込んでいます。投資増大によるリスクを避けるため今後は大型機器の更新は必要最小限とする予定であり、引き続き必要な設備投資を見極めながら経営改善に努めます。
全体総括
H30年度は第二次経営計画前期計画の最終年度であり、医療機能の強化、経営基盤の強化を総括し、後期計画を策定する年度でもありました。前期5年ではヘリポートの運用開始、救急センター機能の拡充、地域包括ケア病棟の設置等病棟機能再編、診療機能の強化を行い、計画数値は概ね達成できている状況です。令和元年度からの後期計画は新病院建設の推進を踏まえた計画であり、引き続き利益の安定的確保、向上を行う必要があるため、医師の招聘、BSCによる目標管理、材料価格の適正化、回復期や地域包括ケアを活用した切れ目がない質の高い医療の提供を行い、地域の安心安全を守りながら経営改善を推進します。