経営の健全性・効率性について
経常収支比率及び料金回収率はともに100％を超え、累積欠損金もなく現状では黒字経営となっているが、給水原価は高い傾向にある。現金の減少が続き企業債償還が増え流動比率は類似団体と比べ低くなっている。企業債残高対給水収益比率は類似団体と比べ高いが、企業債償還がピークを迎えていることが影響しているが企業債残高は減少傾向にある。施設利用率及び有収率は類似団体と比べ低い。また、給水人口及び観光需要などの減少により、配水量・有収水量ともに減少傾向が続いていることから、経費節減とともに施設の効率的運用を図る必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は類似団体と比較し高いが、減価償却が進み施設の老朽化が進んでいるといえる。管路経年化率が28年度増加したのは資産再調査の結果によるものであるが、管路更新率は低い水準である。29年度から実施しているアセットマネジメントの成果等をふまえ、老朽化施設・管路の更新を計画的に進めていく必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性は概ね確保されているといえるが、給水人口・給水収益が減少する中、更なる経費節減に努め適正な料金水準を確保する必要がある。給水区域が広範囲で施設数も多いという地域の特殊性があるが、各施設の効率的運用と老朽施設の計画的更新を進めていく必要がある。28年度から浄水場更新等の大型事業に着手し、事業の継続性と経営の安定化を図るため、29年度から料金を改定することとした。今後とも各指標の分析と将来見通しをふまえ、計画的かつ効率的な経営を進めていく必要がある。
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2021年度