地域において担っている役割
富士北麓地域において唯一の公立病院であり、救急医療・高度医療といった不採算部門を抱えるほか、地域がん診療連携拠点病院・地域災害拠点病院等として、当地域の中核的役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
昨年度は定年退職者の増により経常収支比率や医業収支比率が大きく落ち込んだが、本年度は多少回復を見せた。患者1人1日あたり収益は入院・外来ともに前年度よりは改善しているが、類似団体と比較すると依然として下回っている。伸び率をみると入院については類似団体よりも大きく上昇している。職員給与費対医業収益比率は改善しているが、材料費対医業収益比率がここ数年悪化している。病床利用率も大きく落ち込んでいることから、集患対策が喫緊の課題であると言える。また、材料費の抑制についてはこれまで以上に取り組み、経営の健全性を高めていきたい。
老朽化の状況について
本院は当該地に移転してから19年が経過し、施設や医療機器等の老朽化が進んでおり、類似団体と比較しても老朽化の進捗度合いが高くなっている。医療の停滞を招かないよう、今後も引き続き更新・整備を図っていく。
全体総括
累積欠損金比率が非常に低いこと等から、一定の健全性は確保されている。しかしながら、上述のとおり病床利用率の減少や材料費対医業収益比率の悪化等、看過できない結果が表れており、早急に対策が求められる。今後、施設の老朽化に伴う更新、修繕費用の増加や退職給付引当金の計上、さらには令和元年10月からの消費増税など、多大な費用を要することが見込まれていることから、経費の節減対策を実施すると同時に、着実な収益の確保を図ることで、経営の健全化に努めていきたい。