地域において担っている役割
周辺には急性期医療を提供する総合病院がないため、救急・小児・周産期・災害・精神などのいわゆる不採算・特殊部門にかかわる医療の提供を行っている。又、この地域の医療・介護連携の拠点的役割も担い、次世代に通じる包括的な医療・介護サービスをコントロールするハブ機能の役割も担う。
経営の健全性・効率性について
令和元年度は20年ぶりに経常収支比率が100%をきり、医業収支比率も95%以下となった。累積欠損金比率はなく、病床利用率も90%以上を維持している。また、1人1日あたり収益では、入院は全国平均を上回っているが、外来は全国平均以下となっている。経費的には職員給与費対医業収益比率および材料費対医業収益比率は全国平均を下回っている。全体として、健全性・効率性に低下傾向が見られる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率がほぼ全国平均値であり、全体的な老朽化は平均的である。また、器械備品減価償却率が全国平均より下回っており、比較的機械備品については新しいものが多い傾向がある。また、1床あたりの有形固定資産が全国平均の1.8倍と大きい。これは、当院より半径4km圏内には100床以上の総合病院がなく、305床という中規模施設でありながら、地域の中核病院としてPET-CT、サイクロトロンをはじめ手術支援ロボットや心臓専用SPECTなど高度医療機器を導入しているためと思われる。しかしながら、新しい高度医療機器の導入が集客と収入の確保につながっており、適切な投資の範囲と考える。
全体総括
単価の減少、患者数の減少、収支比率の低下など厳しい経営環境が続く中、今後も地域の中核病院として必要な医療を提供し続けるために、更なる経営の健全化・効率化に取り組んでいく。