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本町では、大手法人1社の町税収入が多額であったため高い財政力を保ってきた。また、その動向が財政運営を左右してきた。大手法人の再編・移転は完了し、今後はかつてのような税収は見込めない状況にある。しかしながら、今後も類似団体に比べ高い財政力を保持していくことは予想されるが、税の徴収率の向上や歳出の抑制、また、新たな税財源となる企業誘致等施策の推進などにより、財源の確保と財政運営の安定を図る。
本町のこれまでの町税収入における大きな増減は、大手法人1社の納税の増減によるところが大きかった。平成21年度においても、町税収入が対前年度比10億円余の減額等に伴い、経常収支比率を一気に押し上げ、90%超となった。平成22年度においても社会経済情勢の影響を受け、対前年度に比べ税収がさらに減額となり、また、町債発行も行なわなかったことから、経常収支比率はポイントを上げた。平成23年度においては、普通交付税や臨時財政対策債の発行などにより大きくポイントを下げた。平成24年度においても、普通交付税や臨時財政対策債の発行を行ったことによりポイントは横ばいに推移した。
類似団体の平均に比べ、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は低くなっている。金額の多寡のみで適正度を測ることは難しいが、人件費、物件費は抑制されている。今後もこれらの水準を保ちつつ、経費の適正な使途に努める。
平成18年度の給与構造改革以降、給与の適正化に努めてきた。平成20年度からは地域手当の率を減じ、平成23年度においても4.5%から4.0%に引き下げるとともに、本指数への反映はないが、特別職の手当等を削減した。平成24年度においても、特別職の給料月額の減額を行った。引き続き人事院勧告等に基づきながら、給与の適正化に努める。
近年における定員管理の状況の推移については、事務の効率化や人材育成を推進し、職員数増加の抑制に努めている。今後も引き続き事務事業の見直し等を計画的に行うとともに、適正な人員配置や組織体制の構築を図り、定員管理に努める。
法人税収等を背景に、また、これまで地方債の発行を抑制し各種事業を実施してきたことにより、類似団体の平均を大きく下回り、近年においてもその推移は減少傾向にある。今後も的確な実施事業の選択により、地方債の発行に大きく依存することのない財政運営に努める。
平成24年度の将来負担比率は、平成23年度に引き続き地方債の現在高や公営企業等繰入見込額の減、充当可能基金や基準財政需要額算入見込額の増により、マイナス算定(算定されない)となった。今後も負担を将来に先送りする財政運営を極力避け、適正な地方債の発行や義務的経費の抑制に努め、財政の健全化に努める。
平成22から24年度まで、大規模な普通建設事業を実施していないなどの理由により臨時的な人件費の計上が少なく、結果として類似団体の人件費の比率を上回っている。正規職員の採用を計画的に行うなど、今後とも適正な人事管理に努める。
本町は、正規職員の採用の抑制等により、非常勤職員による対応を行っていること、また、施設等の充実による維持管理に係る経費が多額であることなどにより、物件費の比率が比較的高い傾向にある。さらに、平成21年度からは国の経済対策、雇用対策などにより比率が増加した。今後も経費の節減に努め、適正な財政運営を図る。
扶助費については、類似団体の比率と近似値となっている。平成22年度は子ども手当等の支給を背景に比率が上昇した。平成23年度においては、障害者自立支援給付費や子ども手当が増額し、平成24年度においては児童手当が減額したものの、障害者自立支援給付費の増額し、障害者自立支援給付費の増額は、今後においても続く傾向が予想される。義務的経費である扶助費は、制度改正等による対象の拡大などによりその抑制が難しいが、今後もその動向に十分注視していく。
その他において大きな要因を占めるのは、特別会計等への繰出金である。平成22年度は、前年度対比で若干減ったものの、平成23年度は再び若干増に転じている。今後も適正な特別会計等の運営に資する、適正な繰出金を支出する。
消防業務の委託や清掃業務等を一部事務組合で実施していることによる負担金等の支出が、補助費等の主な内容である。類似団体との比率の比較では近似値であるが、今後とも各種団体等への負担の適正化を図り、経費の節減と安定した財政運営を図る。
地方債の発行を極力抑制し、後年度に負担を残さない財政運営を行ってきたことなどにより、類似団体の比率を大きく下回っている。今後も適正な事業選択により適正な地方債の発行に努め、財政運営を行う。
公債費は、地方債の抑制等により類似団体、全国平均、県平均を大きく下回っているが、その他の性質は平均を上回っている。また、平成21年度からは類似団体の平均を大きく上回っているが、これは法人税収の大きな減額によるところが大きい。
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