経営の健全性・効率性について
経営の健全性については、経常収支比率①を見るように平成24年度から赤字経営となり、料金回収率⑤も減少しています。主な要因は、人口減少や節水機器の普及などによる給水収益の減少であり、今後もその傾向が続くものと思われます。小鹿野町では経営面を考慮した料金改定を昭和61年以降29年間行っていません。そのため、安心・安全な水道を未来永劫に引き継ぐためには、住民生活を第一に考えた料金改定を早急に行う必要があると考えます。また、有収率⑧が3年連続で減少し、給水原価⑥が上昇していますが、その主な要因は老朽管の漏水等によるものです。必要な施設更新を図ることで、無駄な漏水を無くし、効率的な運営に努めたいと思います。
老朽化の状況について
老朽化の状況については、管路経年化率②が類似団体平均値よりも高く、管路更新率③が1%を下回っていることから、施設の更新(整備)が遅れていることが分かります。そのため、地震等による断水が発生した場合には、住民生活や企業活動に多大な影響を与えてしまうことから、老朽管及び施設の更新事業(耐震化)の計画的かつ早期の実施に努めたいと思います。
全体総括
経営分析からは、上記のようなことが推察され、水道事業が安心・安全な水の供給を継続するためには、適切な料金改定を行い、赤字体質を脱却するとともに、老朽化施設の更新を図る必要があります。そのため、秩父地域(1市4町)では、同様の課題を抱える水道事業体が協同し、水需要の不均衡の解消、施設整備水準の平準化、恒久的な事業運営に向けた運営基盤強化のための水道広域化を選択し、平成28年4月1日より秩父広域市町村圏組合による運営を開始します。(料金改定を、統合後5年以内に行う予定です)