経営の健全性・効率性について
水道料金は、使用者の節水意識が高まり収入が年々減少しており、H25年とH26比較では約8,800千円の収入(-4%)が減少しています。収支では毎年利益が確保されておりますが、事業費用において減価償却費用の増加(5,833千円、+6.8%)や電気料金の引き上げにより費用額が増加したことから利益確保が難しくなりました。また管路整備に充てられていた繰入金がH26年より廃止となったことから留保資金を取り崩して整備を進めているため資金の流動が現れております。水道施設における効率面では、有収水率の低下が見られます。町では年数を経過した石綿セメント管が埋設されており、管の継手部や給水部材の劣化による漏水が見受けられるため、早急な修繕と共に管路の更新を併せて実施しております。有収水率の向上は町の課題であるため、引き続き管の整備を行い修繕費用の削減を図り運営する必要があります。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた水道管の埋設割合は総延長80kmのうち約2割の約17kmです。毎年管の更新を実施していますが更新は1%前後であるため、管を更新には年数と莫大な費用が必要となります。耐震性が弱く漏水や破損しやすいことから、有収水率の低下を改善するために緊急補修により対処している状況ですが、更新は引き続き実施するとともに、早期に完了するよう事業の見直しを行うことが必要です。
全体総括
料金収入が減少しているなか資金を維持しながら水道管や施設の更新を行っているため進捗は伸び悩んでおり、有収水率の改善や老朽管更新に影響が出ています。このため、料金の見直しなど安定した経営を検討する必要があると思われます。現在、水道事業を統合し広域的な業務、運用を行い費用の削減に努めるとともに、国の交付金を活用し老朽した施設や管の早期更新を目指すため、平成28年度より太田市、館林市、みどり市、邑楽郡5町にて群馬東部水道企業団を設立し、管路や施設の計画的な更新と行い経営の向上を目指します。