経営の健全性・効率性について
今後の経営状況については、使用水量の多い企業数社の稼働状況に明るい兆しがあるものの、給水人口の減少に伴う給水収益の減少により年々悪化していくことが推測される。更に3年から4年後には老朽管や施設等の改修・更新も予定しており、その財源の借入利息と減価償却費が経営を圧迫することは必至である。また、事業費の2割以上(21.3%)を占める給与費についても、現在は必要最低限の職員数であり、規定によりある程度の経験年数も必要とされることから極端な削減は期待できない状況である。
老朽化の状況について
今後の建設改良としては、平成32年度に基幹の配水管更新、平成34年度には大谷地浄水場の全面更新を予定しており、養蚕取水場からの導水管についても一部管路変更の必要にも迫られている。その他にも低迷する有収率(水がご利用者まで届いている割合)の改善のために、漏水箇所の調査・修繕に努めなければならない。
全体総括
上記1.2.に示す通り経営上非常に厳しい難問が山積している状況であり、現行のままの経営で持続可能とは到底考えられない。試算では平成35年度前後からは単年度収支が赤字に転落し、そして数年後には最も避けたい運転資金(現金預金)の不足という危機的状況が危惧される。抜本的な対応策とは言えないが、赤字転落の前に料金改定を行って当面の危機を避けたうえで、効果的な経費削減策を模索しなければならない。今後も安全安心な給水事業を継続していくために、事業自体の広域化や業務部門(検針~料金徴収)の民営化など革新的な方策についても現在慎重に検討中である。