経営の健全性・効率性について
東日本大震災による料金減免や会計基準見直し等により、一時的には損失を計上したが全体的には一定の利益を計上し経営を行っているところではあるが給水収益が震災前の水準までは戻っておらず経営状況は厳しい状況にある。また、本町では県広域水道からの受水を2ヶ所から受けており、その他に表流水による浄水場が1ヶ所、深井戸による浄水場が1ヶ所、配水池が5カ所と数多くの施設を有している。計画給水量に対し実際の配水量が減少していることもあり、施設全体の効率は低下する傾向にあり、併せて維持管理及び更新に要する費用は一定の水準で発生することから、給水原価に影響を及ぼすこととなり、経常収支比率の低下を招く結果となっている。今後、施設整備計画の見直しや広域受水の廃止も含め経営改善を図る必要がある。
老朽化の状況について
減価償却率が50%を超える状況になり、この数値は今後も上昇傾向にある。この理由は、昭和の時代から平成の初期まで拡張工事を行っており、その資産が今後年度を追うごとに更新時期を迎えることから数字が増加することとなる。一定年度を経過すれば新たな施設に更新を行っていく必要もあり、施設利用率の向上も視野に入れ、施設整備計画の見直しを行いつつ、老朽管更新の推進を図る。
全体総括
本町は東北有数の観光地でもあり、観光施設での水の使用状況に大きく影響を受ける傾向にある。東日本大震災の後、観光客の減少等により事業用の給水量は震災前の水準には達しておらず、また人口の減少もあり、今後の経営は非常に難しい状況にあるものと考える。また、過去に構築した資産の更新時期を今後迎えることから、これまで以上に、難しい経営判断が求められるところである。今後、アセットマネジメントや施設整備計画の見直し、広域受水の廃止も含めて町として考え方を整理し、経営改善を進めていく必要があるものと考えている。