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平成28年度の当市財政力指数は前年度に比べ0.01増となったが、類似団体の伸び率に比べ、数値は低い値に留まっている。当市の主な内容として、分子となる基準財政収入額は、景気回復基調による市税の増などにより238百万円増となっている。分母となる基準財政需要額は、前年度と比較し起債償還の据え置き期間なしでの借入による増により公債費が340百万円増となったことなどにより、基準財政需要額が544百万円の増となっている。平成28年度からの交付税合併特例措置の逓減による財政への影響が見込まれることから、事務事業・公の施設の見直しなど行財政改革を推進し、市役所のダウンサイジングに取り組んでいく。
平成28年度の経常収支比率は、地方税が311百万円の増となったものの、普通交付税が258百万円の減、各種交付金が283百万円の減となったことなどから、歳入の経常一般財源が465百万円の減、扶助費、公債費の増などにより、歳出の経常一般財源は930百万円の増となり、経常収支比率が3.4ポイント増加した。主な要因としては、扶助費が年金生活者等支援臨時福祉給付費の増などで861百万円の増、公債費が起債償還の据え置き期間なしでの借入による増などにより340百万円の増などが挙げられる。前年度と同程度で推移しているものの、類似団体と比較して、依然として高い数値であることから、さらなる経費の節減に努めるとともに、今後も旧土地開発公社所有宅地等の売却を進め、第三セクター等改革推進債の早期繰上償還を行っていく必要がある。
平成28年度の人件費は、市町村合併以来継続している一般職の退職者数の5分の1採用、労務職の退職者不補充による職員削減の効果により、合併直後の平成18年度と比較して226人減で、人口1,000人当たりの職員数では類似団体より0.81人少なくなっている。合併後の平成18年度以降で比較すると、経常一般財源ベースで2,303百万円の減、職員数では226人の減となっている。また、平成28年度の物件費は、地区センター管理運営事業の増などにより経常一般財源が前年度比174百万円増となり、3.0%増となっている。物件費全体では、地域住民生活等緊急支援事業などが減少したものの、行政OA化推進事業などにより、全体として339百万円増となっている。財政計画では経常経費の削減を掲げており、今後も引き続き取り組んでいく必要がある。
平成27年度までは類似団体でも低い水準であったが、類似団体の区分見直しにより、ほぼ同程度となっている。全国平均と比較しても低い数値で推移してきたが、これは、平成23年度に策定した財政計画の中で、長期的な財政の健全化を図る必要があることから、行財政改革の一環として、平成24年1月から平均給与を平均4.7%減とする独自の給与削減措置に取り組んできたためである。なお、この給与削減措置は平成28年3月までの4年3ヵ月実施し、この間約13億円の人件費を削減した。
市町村合併以降、一般職の退職者数に対する採用の抑制、労務職の退職者不補充による職員削減を実施しているが、人口の減少に歯止めがかからず、人口当たりの職員数では0.12人の微減となった。当市の減少傾向は変わらないものの、類似団体は、団体区分の見直しにより増となった。事務事業の見直しや組織再編等によりサービス低下を防ぎつつ、業務効率化を進めるほか、急激な採用抑制をしてきたことから、年齢構成においてもバランスの取れた定員管理も進めていく必要がある。
平成28年度の実質公債費比率は、前年度比-0.2ポイントと若干改善されたものの、類似団体の中では最も高い比率となっている。改善した主な要因としては、起債償還の据え置き期間なしでの借入により元利償還金の額が前年度比339百万円の増となったものの、合併前の旧市町村で借り入れた地方道路整備事業債などの償還が減少してきたことや、合併特例債や臨時財政対策債など交付税措置のある起債の償還が増えてきたことが挙げられる。
平成28年度の将来負担比率は、前年度比-10.6ポイントと改善されたものの、依然として類似団体の中では高い比率となっている。改善した主な要因としては、プライマリーバランスの黒字確保などによる地方債残高の減(-1,672百万円)、債務負担行為に基づく支出予定額の減(-1,588百万円)、財政調整基金をはじめとする充当可能基金の増(145百万円)となったことが挙げられる。
平成28年度の人件費は、特定財源が前年度比73百万円減となり、経常一般財源が前年度比23百万円減となったことから0.4ポイント増になっている。合併以来継続してきた一般職の退職者数の5分の1採用が3分の1採用となり、労務職の退職者不補充による職員削減の効果などにより、全体としては前年度比70百万円の減となっている。合併後の平成18年度以降で比較すると、経常一般財源ベースで2,317百万円の減、職員数では226人の減となっている。
平成28年度の物件費は、地区センターの指定管理制度導入などにより経常一般財源が前年度比328百万円増となり、1.2ポイント増となっている。物件費全体では、行政OA化推進事業などにより、全体として339百万円増となっている。財政計画において、主に経常経費の削減に取り組むこととしており、今後も引き続き取り組んでいく必要がある。
平成28年度の扶助費は、経常一般財源が前年度比79百万円増となったことから、0.4ポイントの増となっている。全体としては、社会福祉費が400百万円増、教育費が147万円増となったことなどにより、861百万円の増となっている。本市の人口は、平成28年1月1日現在、前年度から1,183人減少(住民基本台帳人口)しているものの、少子高齢化の流れに歯止めがかからないことから、今後とも扶助費については増加が見込まれる。
その他に含まれる経費は維持補修費及び繰出金であるが、平成28年度は、簡易水道事業が企業会計へ一部移行したことによる減や国民健康保険事業への繰出金の減などにより、経常一般財源が前年度比323百万円減となり、0.5%減となった。全体としては、繰出金が簡易水道特別会計で470百万円減、国民健康保険特別会計(事業勘定)で182百万円減などにより、前年度比506百万円減となっている。今後は、下水道事業などの料金の改定や、将来的に見込まれる施設修繕への対応を検討している。
平成28年度の補助費等は、いわて国体実行委員会負担金の増などにより、経常一般財源が前年度比2百万円増となり、0.3ポイント増となった。補助費等全体では、水道事業会計負担金が310百万円増、病院事業会計負担金が240百万円減、商品券発行等の消費喚起事業が215百万円減などにより、22百万円減となっている。行財政改革により平成24年度において補助金の原則15%削減を実施しているものの、国施策等で増加傾向にあり、物件費同様削減が急がれるところである。
平成28年度の公債費は、合併前市町村で借入した道路整備事業債などが順次終了していったことやプライマリーバランスを堅持しつつ、起債償還の据え置き期間なしでの借入により経常一般財源で346百万円増、1.5%の増となっている。類似団体の中では依然として最下位であり、今度も財政計画に基づき新発債の抑制など健全な財政運営を図っていく必要がある。また、平成26年度に実施したが、旧土地開発公社所有宅地の売払を今後も進め、それを原資とした第三セクター等改革推進債の繰上償還を行っていく必要がある。
公債費を除いた経常経費で多くを占めるのが人件費と扶助費となっている。人件費については、一般職の退職者数に対する採用抑制、労務職の退職者不補充に加え、平成23年度から平成27年度まで平均7.8%の独自給与削減を実施したことから類似団体でも上位の数値となっている。扶助費については、人口が毎年千人程度減少しているものの、いまだ増加傾向となっている。市単独扶助費の見直しを検討しているものの難しいことから、人件費について、今後とも第2次定員適正化計画で決定している削減内容を確実に実行していく必要がある。また、今後、公共施設の維持・更新に多額の経費を見込んでおり、事務事業・公の施設見直し指針に基づき、統廃合を進めていく。
平成27年度の将来負担比率は、前年度比△13.5ポイント、実質公債費比率は、前年度比△0.5ポイントといずれも改善されたものの、依然として類似団体の中では最も悪い数値となっている。プライマリーバランスの黒字確保などによる地方債残高の減(△953百万円)、債務負担行為に基づく支出予定額の減(△286百万円)、財政調整基金をはじめとする充当可能基金の増(2,235百万円)となったことで将来負担比率が減少し、合併前の旧市町村で借り入れた地方道路整備事業債などの償還が減少してきたことなどにより、元利償還金の額が前年度比△196百万円となり、さらに合併特例債や臨時財政対策債など交付税措置のある起債の償還が増えてきたことから実質公債費比率が減少した。
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