経営の健全性・効率性について
累積欠損金もなく経常収支比率も100%以上となっており健全な水準となっているが、料金回収率は全国平均値及び類似団体平均値を下回っている。これは初期投資設備の減価償却費や企業債利息が経常費用を圧迫し、給水原価が高額となり、結果的に料金回収率が低くなる要因となっている。流動比率が極めて低い結果となっているが、資本費平準化債の発行可能額が企業債の償還に必要な額よりも上回っていることから、当面の間はこれを利用し健全性を保てるものと考える。しかしながら人口の減少による経営への影響は避けては通れない現状にあるため、今後も経費節減の継続及び上水道未普及地域への加入促進に努めていく。また、近隣市町村の水道料金の格差を考慮しながら料金の見直しを適時適切に行っていく必要がある。また、有収率が類似団体と比べ低い値となっているが、配水管総延長約82㎞のうち28年度において約32㎞の漏水調査を実施し、発見された漏水箇所については修繕を行ったため27年度と比べ当該数値は4.68%上がっている。また29年度においても未実施の50㎞について漏水調査を行い、更なる有収率UPを見込んでいる。
老朽化の状況について
耐用年数を経過した施設の整備更新を優先的に行ってきたため、管路の更新が先送りとなっていた。これが、管路経年化率が高く管路更新率が低い要因となっているが、28年度から漏水調査を再開し、漏水箇所の修繕を行ったため管路更新率が若干ではあるが上がってきている。今後は、漏水調査の結果を基に老朽管更新計画を作成し管路の更新を重点的に行い管路経年率を下げていきたい。
全体総括
現在、経常収支比率が100%以上となっており経営の健全性を維持してきている。今後、漏水調査の結果を基に老朽管更新計画を作成し先送りにしてきた管路の更新を行っていく予定である。なお、更新に必要な経費は経常費用からの捻出が困難なため起債に頼らざるを得ない状態である。また、給水人口の減少による今後の経営への影響は避けては通れない現状のため、水道料金の見直しも近隣市町村の料金の格差是正を考慮しながら適時適切に行っていく必要がある。