経営の健全性・効率性について
・企業債残高割合が類似団体の平均より低く抑えられていたが、令和2年度以降は配水管及び給水管の更新を実施したため、近年は増加傾向にある。今後も、施設老朽化に伴う施設更新事業が増えていることから、その割合の増加および給水原価の高騰が避けられないものと見込まれる。・料金回収率については、類似団体の水準まで上昇しているものの、令和元年から右肩下がりとなっている。※令和4年度の料金回収率については、公営企業会計適用に係る業務委託料の増加により、例年に比べ著しく低くなっている。・ほぼ横ばいで推移している施設利用率については、人口減少等により、施設規模が過大となっている。給水人口の減少や節水機器の普及による配水流量の減少に伴い、今後も類似団体と比べ低いまま推移していくと予想される。・有収率の上昇については、令和5年度は例年に比べ漏水発生件数が少なかったためであり、今後は老朽化に伴い有収率の減少が予想される。以上のことから、今後も施設・管路の更新及び修繕を継続して実施する必要があるが、人口や利用率にあわせた、施設の統廃合や広域連携を検討していく必要がある。
老朽化の状況について
施設や管路の老朽化や更新時期の到来に伴い、さらに経営状況は厳しいものになると見込まれる。更新を実施する際は、点在している浄水施設の統廃合や近隣市町村との広域連携も検討しながら計画的に実施していく必要がある。令和4年度から、「三八地区水道事業広域連携推進任意協議会」において、近隣事業体との広域化・共同化に向けた検討をしているところである。
全体総括
人口減少による給水収益の減少、施設・管路の更新に掛かる多大な投資は避けられないものであるため、料金制度の見直し等をすることで自主財源を確保するとともに、点在している施設の統廃合等により、施設規模の適正化を図り、コスト削減を目指していく必要がある。