経営の健全性・効率性について
①令和3年度の収益的収支比率は全国平均69.05%のところ44.12%となっており、R2年度に続きR3年度決算でも大きく減少している。これは、新型コロナウイルス感染症に係る経済対策として基本料金の減免を行ったことによるものであり、減免分については新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し一般会計から繰り入れて財源の補填を行った。また、平成28年度から改良事業を開始したため、今後発生する修繕料の減額が見込まれる。④企業債残高対給水収益比率(以下、債務残高。)は平成28年度より老朽化対策として改良事業を開始したため、債務残高が増加しており、類似団体と比較すると高い値となっている。今後も水道管の更新事業を実施する計画であるため、債務残高が上昇していくと予想される。⑤料金回収率は100%を下回っており、繰入金等で賄っている状況である。未納入者への周知を強化し回収率の増加を図る。例年と比較すると割合が低い理由としては、前述した新型コロナウイルス感染症対策としての水道料金の減免が挙げられる。⑦施設利用率は43.7%と前年度と比較すると大きく減少しており、理由としては新型コロナウイルスにより、入浴施設等の商業施設が稼動を停止したことで集客が減少したことが挙げられる。また、給水人口は年々減少しているため、将来的にはダウンサイジング等の施設効率等の改善が求められる。⑧有収率は、52.41%と全国平均、類似団体と比べ大きく下回っている。計画的に、老朽化した管渠等の更新を行い、有収率の上昇を図る。
老朽化の状況について
管路の更新を先送りにしてきたことから、管路更新率及び有収率が全国平均より低いため、平成28年度に「水道事業基本計画」を策定し、地域防災計画に定められている避難所のある幹線、漏水事故が多い路線を優先路線に掲げ、必要最低限の投資で計画的に改善事業を行っている状況である。平成29年度においては、費用対効果を踏まえた上で漏水事故が多い水道管を廃止し、他の地区から給水を行う水道管整備を行ったことで管路延長の短縮を行い、ダウンサイジングを実施し、施設利用率の向上を図っている。また、流量計や水位計等の計装設備の更新も計画的に行い、監視体制強化や、施設の延命化を図っていく。
全体総括
今後は、先延ばししてきた管路及び施設の更新を開始したため、有収率増加が見込まれるが、改良工事が増加することによって、給水原価の高騰、債務残高が増加し、水道事業経営をさらに圧迫すると予測される。従って、「地域の水道」という認識を再度確認し、水道事業運営基盤安定化のため、料金適正化を実施する必要があると考えられる。そのためには、給水人口が減少し、過大となった施設(水道管を含む)の廃止等を行いながら、平成28年度に策定した「水道事業基本計画」に基づき、必要最低限の設備投資に努め、住民同意を得ながら、水道事業運営を行う。