東北町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

全体的に前年度に比べ、わずかであるが改善しているが、類似団体と比べて健全性・効率性に欠ける状態である。その理由として、①企業債を毎年返還してはいるが、下水道整備事業がいまだ進捗中であるため、工事財源として地方債を毎年借り続けているので、結果として企業債残高が減らない状態が続いている。②地形的に高低差があり、また人口密度が低いなどの要因から、設備の設置費用及び維持費用が高くなる。③平成25年度に汚水処理施設を増築したが、接続率の低さや人口減少等により有収水量があまり増えず、１立方メートル当たりの汚水処理原価が高いままである。④下水道に係る費用（コスト）に対して、営業収入が少ない。これは下水道使用料の設定単価が低いためであるが、このことにより、一般会計繰入金に依存した実質的な赤字経営となっている。などがあげられる。経営改善のため、経営内容等の見直しが必要である。

老朽化の状況について

当町の下水道事業は平成14年度に供用開始しており令和元年度で17年が経過している。管渠については、標準耐用年数である50年を経過している管渠は無いが、腐食により機能の低下を起こしている可能性があることから、腐食の恐れのある個所については、令和2年度に管路調査点検を実施しており、今後5年に1回の割合で行っていく予定である。令和元～２年度にストックマネジメント計画を策定し、令和３年度以降、継続的に施設の点検・調査・改築を行う予定であり、このことにより施設の持続的な機能の確保とライフサイクルコストの削減に努める。

全体総括

当町の下水道事業の経営健全化、効率化に向けた今後の取組として、①採算性等を考慮した事業計画の見直しによる、事業規模の縮小化。②収支バランスの取れた経営を行うため、下水道料金への改正の検討と企業会計の法適用化への推進。③広報・ホームページ・テレビ等による積極的な水洗化の推奨。④長期的視点からの維持管理計画（ストックマネジメント計画）の作成によるライフサイクルコストの低減。などを行っていく必要がある。また当町は「宝沼」小川原湖の水産資源を守るため、農業集落排水事業、合併浄化槽事業と連携して水洗化を進めていく。