大和高田市：大和高田市立病院

地域において担っている役割

・奈良県地域がん診療連携支援病院としての専門的な医療の提供・在宅医療を担う地域医療機関の後方支援病院・災害拠点病院として被災者の受入れ及び被災地へのＤＭＡＴの派遣

経営の健全性・効率性について

経常収支比率・医業収支比率ともに平成27年度を除いて100％以上で他会計からの繰入金に頼らず安定した経営状況を保っており、平成26年度に発生した累積欠損金が着実に減りつつある。病床利用率は類似病院平均値を大きく上回ってはいるものの入院・外来とも患者1人1日当たり収益は依然低い状態である。新たに安定した収益が確保できるよう対策が必要である。費用面では職員給与費対医業収益比率が平成26年度から平均値より大きくなっている。これからは数年間、定年退職者が増えるため職員数、職員配置また給与、手当等が適切であるか再検討する必要がある。材料費対医業収益比率は平均値より低い比率であるが、引き続き購入価格だけでなく購入個数の適正化に取り組んでいく必要がある。

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率が平均値より大きいのは耐用年数が５年から10年と比較的短い医療機器などの器械備品ばかりに投資している為である。1床当たり有形固定資産が平均値より低いのは施設への投資をしていない状態だと考えられる。累積欠損金が減りつつある今、速やかに施設への投資を行っていく必要がある。特に施設(西館)の老朽化が進んでいるので、病院の一部建替えの検討をし始めている段階である。

全体総括

経営収支比率、医業収支比率とも比較的安定してはいるが、病床利用率が高い割には入院・外来ともに患者1人1日当たり収益が低い状態は変わらず、新たに診療点数の取れる施設基準の見直しや診療点数の取り漏れがないかを確認し、増収に繋げるよう検討する必要がある。費用面では職員数や職員の適正な配置を検討し、職員給与費対医業収益比率を抑える必要がある。引き続き『大和高田市立病院公立病院改革プラン』に沿って経営の効率化を図り、経営基盤の強化に取り組みながら、老朽化が進んでいる施設の一部建替え等を速やかに検討していく必要がある。