地域において担っている役割
当院は赤穂市のみならず西播磨地域の中核病院として21診療科を標榜し、小児を含めた二次救急医療や地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院、地域医療支援拠点病院などの重要な役割を担っています。また、隣接する岡山県東部地域からの利用も多くみられます。
経営の健全性・効率性について
当院における医業収支比率及び経常収支比率については、いずれも100%を下回り経営状況が悪化しています。平均値と比較して、医業収支比率では上回り、経常収支比率では下回っています。これは、医業外収益における一般会計からの繰入金が少ないことも要因の一つであり、他の公立病院に比べて市民の税に対する依存度を抑えた経営をしているといえます。医業収益については、一部診療科において常勤医師の不在や診療科による医師偏在等により患者数が減少傾向にあり、収益の根幹となる入院収益や外来収益が減少しています。こうしたことから、近年、純損失が発生し累積欠損金比率が上昇しています。
老朽化の状況について
当院は、平成10年2月に移転新築後20年が経過したところです。医療機器については計画的な更新に加え、進化する医療に対応すべく新規医療器械についても費用対効果を考慮し導入を行っています。現時点で建物や設備については目立った不具合はありませんが、適切な維持修繕を行っています。また、医療機器についても、医療の安全安心な提供のため、機器ごとに保守契約を締結し適切な管理を行っています。平成30年3月に二期構想による増改築事業が完了し有形固定資産が増加したことから、1床当たり有形固定資産が増加し、有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率が減少しました。
全体総括
平成30年3月に完了した増改築工事により新設・拡充された健診センターや透析センター等の施設や、PET-CT等の医療機器等の医療資源を有効かつ適切に活用して増収を図るとともに、地域包括ケア病棟を有効に活用して病床利用率の向上に努めます。また、これまで、常勤医師が不在若しくは不足していた診療科のうち一部診療科において、常勤医師が確保できる見込みとなったことから、更なる診療提供体制の回復に向けその他の診療科についても引き続き医師の確保に努めます。経営健全化を図るため、「患者様に選ばれる病院」を目指すとともに、効率的で効果的な経営に努めます。