地域において担っている役割
当院は赤穂市のみならず西播磨医療圏の地域中核病院として21診療科を標榜し、小児を含めた二次救急医療や地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院、地域医療支援拠点病院などの重要な役割を担っています。また、隣接する岡山県東部地域からの利用も多くみられます。
経営の健全性・効率性について
当院における医業収支比率及び経常収支比率については、いずれも100%を下回り経営状況が悪化しています。平均値と比較して、医業収支比率では上回り、経常収支比率では下回ることについては、医業外収益における一般会計からの繰入金が少ないことも要因の一つであり、一般的には平均的な公立病院に比べて市民の税に対する依存を抑えた経営をしているといえます。医業収益については、一部診療科において常勤医師の不在や診療科による医師偏在等により患者数が減少傾向にあり、収益の根幹となる入院収益や外来収益が減少となっています。こうしたことから、近年、純損失が発生し累積欠損金比率が上昇しています。
老朽化の状況について
当院は、平成10年2月に移転新築後19年が経過したところです。医療機器については計画的な更新に加え、進化する医療に対応すべく新規医療器械についても費用対効果を考慮し導入を行っています。現時点で目立った不都合はありませんが、建物や設備については適切な維持修繕を行っています。また、医療機器についても、医療の安全安心な提供のため、機器ごとに保守契約を締結し適切な管理を行っています。
全体総括
平成28年度において「病院改革プラン」を改訂し、新たな目標のもと、医師・看護師等医療従事者の確保に継続的に取り組み、早期の診療提供体制の回復に努め、診療報酬改定に適切に対応していきます。また、平成28年12月に開設した地域包括ケア病棟を有効に活用して病床利用率の向上を目指します。あわせて、増改築工事により平成29年8月に新設・拡充された健診センターや透析センター等の施設や、PET-CT等の医療機器などを有効かつ適切に活用して増収を図るとともに、更なる経費の縮減を行い今後の経営の健全・安定化に努めていきます。