経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、令和2年4月1日に平均17%増となる料金改定を実施し前年度比で増加となった。今後も施設更新費用が必要となるため、5年毎に見直していく予定である。③流動負債において、施設更新工事の縮小に伴う未払金の減少により比率が増加し、平均を上回った。④平成30年度からの施設更新工事に伴う企業債の借入により増加傾向である。今後も施設更新計画に基づき更新事業を継続していくため、計画と料金収入を比較し借入限度額を決定していく必要がある。⑤施設更新に伴い減価償却費が増加し比率が年々低下していたが、料金改定により増加に転じた。今後も経費削減に努めながら維持していく必要がある。⑥今後、水量の減少が見込まれる中、施設更新に伴う減価償却費等の増加により、上昇するものと予測される。⑦施設利用率は、ほぼ横ばいの状態であるが平均を下回っている。本町における水系統は一系列のみであり、施設更新や事故対応等に一定の余裕は必要と考えるが、今後の人口減少や節水型機器の普及、ライフスタイルの変化等による水需要の減少が想定されることから、管路のダウンサイジング等による適正な施設規模を検討する必要がある。⑧管路の経年劣化等により漏水等が増加傾向である。常時監視データ等の収集分析を用いた漏水管理を行い早期発見に努める。今後、管路更新基本計画を策定し、管路の更新工事を実施していく予定である。以上の分析により必要な対策を講じ費用の削減に努めるとともに、健全で持続可能な事業を運営するため、水道事業が抱える現状と課題を踏まえ、経営の健全化と経営基盤の強化に取り組む必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、水道施設更新計画に基づき平成30年度から施設更新工事を実施している。今年度は減価償却累計額が前年度と比較して増加したため微増となった。今後、計画に基づき更新工事を実施していく予定であり、低下していくものと予測される。②管路経年化率は、水道第二次拡張期の管路が法定耐用年数を迎え、令和5年度には40%超、6年度には50%を超えることから、今後短期間で法定耐用年数を超過する管路の増加が予測できる。施設の更新工事が終了後、管路更新基本計画を策定する予定である。③管路更新率について、今年度においては実施はなかった。水道施設更新計画に基づき、今後、水源地等の施設更新終了後に重要管路を中心に更新工事を行う予定である。
全体総括
今年度は、「東員町水道施設更新計画」及び「東員町水道事業経営戦略」の前期計画4年目として、その経営目標に沿って効率的な事業運営に努め、アセットマネジメントの手法に基づく老朽施設更新事業等を推進した。経営の状況では、施設の更新等を計画的に進めるため、4月から平均17%増となる料金改定を実施した。給水戸数は少子高齢化や核家族化等の社会構造の変化を如実に反映し増加、有収水量は、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、主に一般家庭用とされる小口径は増加したものの、業務用とされる大口径は減少と全国的な傾向と同様であるが、全体として昨年度と比較して微増となった。今後においても水道施設の保全及び老朽施設更新等の事業を計画的に取り組むことにより、災害や危機管理対策の充実を図り、強靭な水道施設の構築に努めるとともに、事業内容の見直しを行いながら財政基盤の強化を図る。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い経済活動が低迷している中、水道事業へ与える影響を見極め、状況に応じた対応策を検討し、水需要の動向を注視しながら、一層のサービス向上と効率的かつ持続的な事業運営に努める。