地域において担っている役割
地域医療に積極的に貢献するため二次救急医療(当院を含む三病院による輪番体制)の推進・強化に努め、第2種感染指定病院及び災害拠点病院などの役割を実施してきた。また、診療体制を見直し、特定部門を集中的に強化することで一定の成果を上げ、さらに緩和ケア病棟や地域包括ケア病棟等を開設した。当面はこれらの機能を維持・強化しつつ地域医療に貢献する。
経営の健全性・効率性について
収益及び費用の効率性を確保し、病床利用率等が類似団体の全国平均を上回る状況にあったことは、経常収支比率や医業収支比率ともに全国平均を上回る状況で推移したことにつながり、継続的に純利益が生じることとなった。その結果、累積欠損金は毎年減少しており、経営の健全性は保たれている。
老朽化の状況について
1床当たりの有形固定資産が類似団体の全国平均を上回っていることから、再投資による将来の収益的支出の増加が懸念されるが、類似団体の全国平均との差は減少傾向にあり、投資は抑制されている。また、減価償却率が高く推移していることから、施設等の老朽化の進行を想定し、施設管理計画に基づいた適切な施設への投資を行うものとする。
全体総括
「公立病院改革プラン」に基づく改革・改善に数値目標や実施期限を明確に定めることで、病院の健全性や効率性において一定の成果を得ている。また、少子高齢化や人口減少により医療環境が変化する中、将来にわたり地域住民が安心して生活できる医療提供体制を構築する必要があり、市民病院としての地域医療に果たすべき役割を担うとともに、継続的な経営改善、経営形態のあり方等を検討していく。