地域において担っている役割
当院は、地域における中核病院として、第二次救急輪番病院として、市民生活にとって大切な救急医療を担っています。また、退院支援機能の拡充を図るため、平成27年度には地域包括ケア病棟を導入し、リハビリテーションスタッフの充実を図るなどの取り組みを進め、高齢者の在宅復帰に向けた支援を進めています。また、平成28年度には碧南市訪問看護ステーションを当院に移管しており、在宅事業の展開も始めています。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び②医業収支比率が低下したことによる主な原因は、医業収益の減少と医業費用の給与費、減価償却費の増加である。医業収益の減少においては、入院患者1人1日当たりの単価の伸び悩みと、入院患者数の減少によるもので、患者1人当たりの平均在院日数が短縮化しており、年間を通じての入院患者数、④病床利用率が減少している。⑤入院患者1人1日当たり収益については、手術数の減少や患者層が比較的軽症、または診療単価の低い患者が多いことが想定される。⑥外来患者1人1日当たり収益については、ほぼ横ばいで推移しているが若干の増加傾向にある。年度末欠損金は年々増加傾向でもあるが、医業収益の大幅な減少も伴い、③累積欠損金比率は平均値よりも増加した。⑦職員給与費対医業収益比率の増加については、医業収益の減少と給与費の増加によるものであるが、当院においては給与比率が高い傾向にあり、現在の病床利用率も勘案しながら人員配置の適正化に努める必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は類似病院平均より高い比率である。開院より29年が経過し、開院当初に投資した建物は耐用年数が近づき、更新の検討が必要である。現在、病棟の改修計画を検討しており、平成31年度より改修工事を行う予定である。病棟改修工事後に外来改修工事を行う予定である。また、更新が必要な医療機器については、院内で選定する委員会にかけ、必要性の可否を判定して購入を行っている。②機器備品減価償却率の増加については、3テスラMRIとSPECT装置の償却が始まったことにより、昨年度より減価償却費が増加した。③1床当たり有形固定資産が示すように、他病院平均と比べると投資額が高い傾向にあるが、平成29年度より機器備品の購入を2億円程度に抑えるようにしており、今後で減価償却費は減少していくと思われる。
全体総括
病院の基本理念である温かな心のこもった医療の提供を継続するため、経営状況の改善を実施し、安全な医療を将来にわたり継続的に提供できるようにする。そのため、外向的は、地域の高齢者人口増加や医師不足といった環境のなかで、近隣医療機関との連携強化や退院支援事業など地域包括ケアにも目を向け、急性期医療に限らない地域の中核病院としての役割をはたし、地域住民に選ばれ利用される病院となる。また、内向的は、職員の職員満足度を高め、目標意識やコスト意識を向上させる。また、薬品や医療材料などの医療資源の購入や使用並びに定数の管理を推進して経費削減を図る。病床の適正利用を進めるため、病床管理の機能を有する部署設置を検討し、老朽化する病棟を地域のニーズに応えた病棟にするための改修計画を進める。病院全体で経営を意識した取組みを実施し、地域に愛される病院を実現します。【新公立病院改革プラン策定済、平成33年度新公立病院改革プラン見直し予定】