経営の健全性・効率性について
経常収支比率は124.17%で、前年度比3.79ポイント向上しました。これは、職員1名の削減が主な要因で、これにより、当年度末には累積欠損金を解消し、累積欠損金比率は0.00%となりました。流動比率は1,104.91%で、前年度末とほぼ同水準で、短期的な支払い能力には問題ないと考えられます。企業債残高対給水収益比率は540.79%で、類似団体平均431.00%や全国平均276.38%を上回っています。これは、白鳥上水道の供用開始が平成9年度で、水道事業としては比較的新しく企業債残高が大きいためと考えられます。企業債を財源とする大きな設備投資予定はないため、今後も順調に減少していく見通しとなっています。料金回収率は105.44%で、人件費を始めとした経常経費の削減効果により100%を超え、経営に必要な経費を料金で賄えました。給水原価は127.47円で、類似団体平均179.55円や全国平均163.72円と比べ安価となっています。これは、郡上市合併以降進めてきた職員数の削減を始めとする維持管理費用の削減と、郡上の恵まれた良好な水源水質によるものと考えられます。有収率は85.06%で、前年度比0.48ポイント向上しました。近年の漏水対策の取り組みの成果が表れ年々向上しています。今後も、職員による夜間漏水調査を継続します。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は45.97%で、類似団体平均47.70%や全国平均47.18%をやや下回っています。これは、白鳥上水道の供用開始が平成9年度で比較的新しいことによるものと考えられます。管路更新率は0.00%です。今後、耐用年数の到来を見据えた計画的な管路の更新が必要であり、耐震化を兼ねた更新をH32年度から着手する予定としています。
全体総括
職員数の削減や支払利息・減価償却費の低減により経常費用は減少傾向に有りますが、一方で、収益面において、継続する人口減少や市民意識の変化による節水型社会への移行により使用水量が減少するなど、水道事業を取り巻く環境は極めて厳しいものとなっています。安心・安全な水を安価な料金で安定的に供給するため、適正な維持管理に努めるとともに、更新投資についても、施設・設備の重要度や老朽化度合等に重点を置き、財政状況のバランスの取れた効率的・効果的な更新計画の策定に取り組みます。