経営の健全性・効率性について
経常収支比率は120.38%で、100%を上回っており、類似団体平均109.49%や全国平均113.03%を上回っています。流動比率は1,160.04%で、類似団体平均406.37%や全国平均264.16%を上回っています。短期的な支払い能力には問題ないと考えられます。また、累積欠損金比率は減少の傾向を示しており、今後も支払利息等の減少により改善されていく見通しとなっています。これらのことから、健全な経営状況であると言えます。企業債残高対給水収益比率は584.16%で、類似団体平均442.54%や全国平均283.72%を上回っています。これは、白鳥上水道の供用開始が平成9年度で、水道事業としては比較的新しいためと考えられます。大きな設備投資予定はないため、今後も順調に減少していく見通しとなっています。給水原価は134.65円で、類似団体平均181.67円や全国平均164.21円と比べ安価となっています。これは、郡上市合併以降進めてきた職員数の削減を始めとする維持管理費用の削減と、郡上の恵まれた良好な水源水質によるものと考えられます。しかし、料金回収率は99.45%で、類似団体平均98.60%を上回っているものの、100%以下となっており、経営に必要な経費を料金で賄えない状況となっています。本市の水道事業を持続可能なものとするため、適正な料金への見直しによる経営基盤の強化が必要とされています。有収率は84.58%で、平成26年度は類似団体平均81.31%を上回りました。年々向上しており、近年の漏水対策の取り組みの成果が表れてきました。今後も、職員による夜間漏水調査を継続します。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は43.69%で、類似団体平均46.67%や全国平均46.31%をやや下回っています。これは、白鳥上水道の供用開始が平成9年度で比較的新しいことによるものと考えられます。管路更新率は0.24%で、類似団体平均0.68%や全国平均0.78%を下回っており、今後、耐用年数の到来を見据えた計画的な管路の更新が必要となります。
全体総括
人口減少社会の到来(継続する人口減少)や市民意識の変化による節水型社会への移行により使用水量が減少するなど、水道事業を取り巻く環境は極めて厳しいものとなっています。安心・安全な水を安価な料金で安定的に供給するため、適正な維持管理に努めるとともに、更新投資についても、施設・設備の重要度や老朽化度合等に重点を置き、財政状況のバランスの取れた効率的・効果的な更新計画の策定に取り組みます。