地域において担っている役割
厚木市立病院は、平成15年4月に神奈川県から経営移譲を受け開設し、厚木市及び愛川町を中心とした県央地域の公立の基幹病院として、地域の医療機関との連携を推進するとともに、急性期を中心とした二次医療の提供や、専門性に基づく高度医療の強化に努めています。また、救急・小児・周産期・災害・感染症などの政策的医療の提供も併せて行っています。
経営の健全性・効率性について
新病院建設工事の不測の事態による遅れなどのために収益獲得が困難となっていることが、経営の健全性・効率性の指標の中の①経常収支比率が平均値より8.3ポイント低いことや、④病床利用率は昨年度から3ポイント減少していることからも見て取ることができます。ただし、収益の効率性の指標である⑤入院患者1人1日当たり収益(円)は、57,260円と平均値よりも6,750円高く、また、⑥外来患者1人1日当たり収益(円)も13,167円と4年連続で増加しており、昨年よりも604円増となっていることから、高度医療をしっかりと展開できているものと考えています。
老朽化の状況について
新病院建設工事の第二期工事完了に伴い、①有形固定資産減価償却率は13.0ポイントと平均値の49.8ポイントよりも36.8ポイント低く、②機械設備減価償却率も35.1ポイントと平均値の65.0ポイントよりも30.1ポイント低い値となっています。
全体総括
平成24年度から整備を進めてきた新病院建設は、平成28年11月に第二期工事が完成し、外来及び内科系病棟がオープンしたが、駐車場整備などの外構工事を行っており、想定を超えるアスベストの処理などの不測な事態があったため、建設費の増加や工事計画の遅れにより予定していた収入が得られないなど経営面でマイナスの要素となっています。