地域において担っている役割
北部地域の中核病院として、小児救急を含めた救急医療を中心に、高度・特殊・急性期医療などを提供するとともに、災害拠点病院としての役割を担っている。また、地域医療支援病院として、地域のかかりつけ医等と連携し、これらを支援しながら地域全体の医療供給体制の向上を図っている。
経営の健全性・効率性について
①②当院は平成18年の開院当初から指定管理者制度を導入し、効率的な病院運営を推進しており、経常収支比率、医業収支比率とも、類似病院と同程度で推移している。なお、平成24年度は指定管理者側の収支が含まれていないため、収支に関連する指標は平成26年度以降で見る必要がある。③累積欠損金比率は、安定的に純利益を確保していることで減少傾向にある。④病床利用率は、地域医療連携の推進と救急患者の積極的な受入れなどにより、上昇傾向である。⑤⑥医療の質の向上と地域医療連携の推進などにより、入院・外来とも診療単価は上昇している。⑦⑧職員給与費対医業収益比率、材料費対医業収益比率ともに、指定管理者の効率的な病院運営により類似病院平均値よりも低い値で推移している。
老朽化の状況について
①開院から10年が経過しており、有形固定資産減価償却率は類似病院平均値と同程度となってきている。②機械備品減価償却率は、類似病院平均値よりも大幅に高くなっているが、これは開院当初に市側で整備した既に耐用年数を経過している資産が大部分であり、開院後に指定管理者側で整備した機械備品は含まれていないためと考える。③1床当たり有形固定資産は、類似病院と比べて高い値になっているが、これは都市部における建築単価が高いことが一因となっているものと考えられる。
全体総括
○本市では、平成27年度に新公立病院改革プラン(「川崎市立病院中期経営計画2016-2020」)を策定し、経営改善に取り組んでいる。○今後も指定管理者制度による効率的な病院運営を引き続き推進するため、外部有識者等第三者からの意見聴取も含め、モニタリング・事業評価を適切に実施していく。〇施設の経年劣化に対しては、指定管理者との協議に基づく施設・設備の適切な維持・更新を実施していく。