経営の健全性・効率性について
①経常収支比率前年度より10ポイントと大きく減少し、類似団体平均値を下回るも、黒字を計上している。水道新規加入者の減少や台風・漏水修繕が影響していると推察されるが、今後収支の推移に注意していく。②累積欠損金比率本年度も0%を維持している。営業収益に対し、複数年にわたる損失はないことを示している。③流動比率本年度も全国平均値を上回り、1年以内に支払うべき債務に対して支払い可能な現金等がある状況を示している。④企業債残高対給水収益比率企業債に頼らず事業を行っている。返済は順調に続けているため、過去数年にわたり減少の傾向にある。⑤料金回収率前年度に比べ6.13ポイント減少しているが、給水に係る費用が給水収益で賄われていることを示す100%値と、類似団体平均値を上回っている。今後も効率的な運営により維持向上を目指す。⑥給水原価給水1㎥あたりの経費。例年と同程度であり、類似団体平均値を下回っている。安い原価で給水ができていることを示している。⑦施設利用率本年度も全国平均値を上回り、施設利用状況や規模が良好であることを示している。⑧有収率前年度より0.89ポイント増加となり、類似団体平均値を上回り、高い数値を維持している。施設の稼働状況が収益に反映されていると言える。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率有形固定資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標。前年度より1.13ポイント増加しているが、類似団体平均値を下回っている。依然として右肩上がりの増加傾向にある。②管路経年化率法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示す指標。過去数年間は類似団体平均値を大きく上回っており、老朽化への対応が必要である。③管路更新率当該年度に更新した管路延長の割合を示す指標。前年度に比べ0.54ポイント減少しており、平成29年度に回復した数値が再び減少傾向にある。これにより管路の更新割合が少なく、更新ペースも遅いことを示している。※令和3年度に「重要給水施設配水管路耐震化及び老朽管更新事業計画」を策定予定であるため、今後グラフの推移が変更していくと考えられる。
全体総括
滑川町は自己水源を持たないため、人口増加と水需要に対し、安全な水の確保に努めてきました。令和元年度の経営の健全性・効率性については適正であると判断されるものの、①経常収支比率、⑤料金回収率については大きく減少しています。新規加入者の減少や大規模な漏水修繕、台風等が影響したことが要因であると考えられており、今後収支の推移を注視していく必要があります。また、施設や管路の老朽化も依然として進んでいますが、令和3年度に「重要給水施設配水管路耐震化及び老朽管更新事業計画」を策定予定のため、今後計画的な更新事業に取り組んで参ります。平成30年度に策定した経営戦略及びアセットマネジメント(資産管理)、令和元年度に策定した水道事業ビジョンに基づき、基本理念である「未来をつなぐ暮らしを守る安心・安全な滑川の水道」を目標に、住民の皆様が安心して水道を利用できるよう、より一層の経営基盤の強化を図っていきます。