経営の健全性・効率性について
平成28年3月に集中復興期間が終了し、復興・創生期間として、総合計画の具現化や創造的復興に向けた取り組みが町全体で進行している。水道事業においても選択と集中の取り組みを継続し、事業の費用対効果・緊急性・必要性・将来に向けたランニングコストを十分に精査し、持続可能なまちづくりの基幹を成す水道インフラの整備に努めている。今後、本格する仮設住宅等からの防集団地への移転が本格化し、震災前の経営を取り戻しつつある。経常収支比率、累積欠損比率は事業コストを軽減し改善傾向を示している。流動比率は施設の震災復興に向けた建設改良と並行した単費支出が影響しているものの一過性の現象と受け止めており今後を注視したい。また、企業債残高対給水収益比率については、現在、プレハブ仮設住宅やみなし仮設住宅として登米市等近隣市町へ給水人口が移動しているため減少傾向にあるが、H29年4月からの災害公営住宅への入居、H29年12月からの防災集団移転団地への住宅建設等による給水人口は震災前の90%前後まで上向き傾向を示し、比率は改善すものと予測している。その他料金回収率、施設利用率、有収率等経営努力が指標に表れており、引き続き水道経営の健全性と効率化に向け努力したい。
老朽化の状況について
震災前の有形固定資産は老朽化が進行しており、沿岸部の施設は被災後、施設は新たに構築されたことから有形固定資産減価償却率が増加している。管路経年化率は、沿岸部の管路は更新されるもののその他の管路は老朽化しており、復旧復興期間が一段落した段階で計画的な更新を実施する。
全体総括
現在は震災の復旧復興事業の真っ只中である。今後は、復旧復興期間が一段落した段階で、事業の費用対効果や将来に向けたランニングコストを十分に精査した上で、水道事業の使命である安心・安全で良質な水の安定供給を図るため、老朽管更新や施設の耐震性強化を計画する。また、経営効率化による経費の節減や企業債残高の縮減などにより、経営基盤の強化を図り、健全な経営状態で水道事業を未来の世代に引き継ぐことを目指していく。