十和田市：中央病院

地域において担っている役割

上十三地域医療圏における中核病院として主に高度急性期・急性期医療を担うと共に、地域がん診療病院として専門的ながん医療の提供と、在宅への復帰支援として回復期病床の機能充実を行っている。また、自治体病院として救急、高度医療、小児・周産期医療等の不採算医療を担っている。

経営の健全性・効率性について

入院･外来ともに、患者1人1日当たり収益は増加したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により患者数が大幅に減となったため、病床利用率は低下し、医業収益も大幅に減となった。しかしながら、上記感染症に対する各種補助金（医業外収益）の交付があったことで、経常収益としては増となり、経営状況は改善となった。今後は、引き続き各種補助金を活用しつつ、上記感染症の影響により減少となっている患者数の回復を図り、費用の抑制を行うなどの経営改善を行うことが必要である。

老朽化の状況について

有形固定資産については、建物が建設されて10年以上経過したことから、減価償却率は平均値を超える数値まで上昇している。器械備品については、耐用年数を超えた物が多くあるため、減価償却率は平均を上回り高い水準となっている。１床当たり有形固定資産については、器械備品の購入を抑制しているものの除却額を上回っていることに加え、新型コロナウイルス感染症対策に係る器械の購入もあったため、年々増大している。

全体総括

経営状況に関しては、患者1人1日当たり収益は増加を続けているものの、患者数の減により医業収益は大幅に減となったため、経営状況における各項目は軒並み悪化となった。経常収益は改善となったものの、補助金に依存しているところが大きく、感染収束後を見据えれば、患者数が回復するよう経営改善を図っていかなければならない。固定資産に関しては、耐用年数が経過した医療機器から順次買換えを行っているところだが、購入年度に偏りが無いよう計画的に進めるとともに、収支状況を見ながら購入等の妥当性についても引き続き検討していく。