地域において担っている役割
地域周産期母子医療センターを併設し、二次救急、周産期、小児の救急医療、脳血管疾患等の急性期医療を県民に提供する今治圏域の中核病院
経営の健全性・効率性について
平成28年度は、収益については、入院・外来ともに延患者数が増加したことにより増収となった。費用については、経費の節減努力や高額医薬品使用の減により減少した。これにより、経常収支比率及び医業収支比率ともに前年度を上回り、経常収支比率及び医業収支比率ともに類似病院の平均値を上回ったことから、概ね健全な経営が確保できている。職員給与費対医業収益比率については、増加傾向にあり、類似病院の平均値を上回っていることから、更なる経費縮減及び医業収益の確保等により効率的な運営を図る必要がある。
老朽化の状況について
昭和58年の開設から35年を経過し、減価償却が進んでおり、有形固定資産減価償却率は全国平均を上回っている。現在建替えを実施している新居浜病院の進捗状況のほか、建物の耐用年数及び経営状況等を総合的に判断して対策を講じる必要がある。機械備品減価償却率は増加傾向にあり、全国平均を上回っているため、経営への影響を考慮しながら計画的な医療機器等の更新を行っていく。
全体総括
愛媛県公営企業管理局では、愛媛県立4病院を対象とし、平成28年度から平成32年度までの5年間を実施期間とする愛媛県立病院中期経営戦略を策定し、「健全経営の確保」及び「病院ごとの機能に応じた経営体質の強化」を経営方針として①政策医療の強化、②地域医療機関との連携強化、③医師及び看護師等の確保・人材育成機能の強化、④4県立病院の連携促進等による機能強化、⑤施設の老朽化対策、⑥経営の効率化に取り組んでいる。本戦略においては、経常収支比率及び医業収支比率の数値目標を設定しており、平成28年度は経常収支比率及び医業収支比率ともに目標値を下回った。今後は、数値目標が達成できるよう、更なる収益の確保や経費の縮減に努めたい。