地域において担っている役割
本院は、急性期医療とともに政策医療を担う地域の中核病院として、医療の質の向上と経営の安定化に努めるとともに、患者やその家族に信頼され、安心して医療・看護が受けられる病院づくりに努めています。また、「地域周産期母子医療センター」、「脊椎・人工関節センター」、「がんセンター」を3本柱として、地域に特色のある医療の提供を行うとともに、「患者支援センター」を軸に、患者中心の医療・看護の提供に努めています。
経営の健全性・効率性について
経営状況を示す主な経営指標については、ほとんどの項目において類似病院平均値より優れている結果がでておりますが、高度医療の提供に伴う材料費の高騰等を受け、「材料費対医業収支比率」について平均値を上回っており、値引き交渉の強化などによる費用の削減を、今後においても粘り強く行っていく必要があります。また、現時点においても多額の累積欠損金を抱える状況であるため、病床利用率の向上を筆頭に、より一層の経営指標の向上を目指し、累積欠損金の縮小に努めていきます。
老朽化の状況について
本院は、平成20年1月の新病院開院により、建物に係る残存価格が多く残っているため、「1床当たり有形固定資産」は類似病院平均値より高くなっています。また、新病院開院にあたり購入した機械備品については更新時期になっておりますので、計画的な更新作業により「機械備品減価償却率」は減少傾向にあります。
全体総括
現在の経営状況は類似病院の指標平均値より概ね優れているが、今後においても医療機器の計画的な更新等を控えているため、より一層の経営強化が必要であると考えています。特色のある医療の提供と医療提供体制の強化に努めることにより、病床利用率の向上を図り、地域に安心・安全な医療を安定的に提供できるように努めていきます。