岩美町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

本町の下水道使用料は、全国的にみて高い水準にあり、水洗化率（⑧）も順調に伸びているため、類似団体平均値に比べて高い経費回収率（⑤）となっており、赤字補填のための基準外繰入をしない状態で収支が概ね均衡しています（①）。また、公共下水道の面的整備が概成しているため、現在は新たな投資がなく、債務残高は減少傾向にあります（④）。しかし、施設利用率（⑦）が低いこと、汚水処理原価（⑥）が増加傾向にあること、今後発生する更新投資費用に備えなければならないこと等を踏まえると、更なる水洗化の促進（当面90％を目標）等により事業運営の効率化を図る必要があります。また、施設の修繕経費が収支に大きく影響するため、ストックマネジメント手法を踏まえた計画的な点検・更新を進める必要があるほか、より効果的な投資を行い施設の有効活用を進める必要があります。

老朽化の状況について

大谷処理区が平成７年に、浦富処理区が平成16年にそれぞれ供用開始しました。大谷処理区については、供用開始後20年以上経過していますが、管渠の老朽化による問題は発生していません。今後、管渠の耐用年数（50年）、財政の見通し等を踏まえながら更新計画を立てることが課題となります。

全体総括

本町の下水道使用料は高い水準にありますが、汚水処理や投資にかかる費用を適切に反映した料金体系となっています。引き続き、基準外繰入金に頼らない独立採算を徹底するとともに、水洗化促進等により収入を確保し、安定した事業運営に取り組む必要があります。歳出面では、収支に影響しやすい修繕費を抑制し、資産のライフサイクルコストを縮減するため、ストックマネジメント手法に基づいた維持管理・投資の計画を立てる必要があります。