経営の健全性・効率性について
本市の公共下水道事業は、生活環境の改善をはじめ、水質の保全等、安全快適な社会環境を形成する上で不可欠な社会基盤であるため、その普及を推進し、サービスの向上を図ってきたが、施設の建設等に莫大な資本投資が必要であるので、総じて厳しい事業経営が浮き彫りになっている。特に少子化、過疎化による人口の減少、排水設備の高機能化や節水意識の高まりによる1人当たりの下水使用料の減少等で、使用料収入の伸び悩みが深刻化しつつある。それに加え維持管理経費も多額になり、このため収益的収支比率は近年100%を下回っている。過疎化による人口減等によって下水使用料が減少していることもあり経費回収率は100%を下回っており、適正な使用料収入の確保及び汚水処理費の削減が必要である。汚水処理原価は類似団体と比べて低い値だが、施設利用率が低いため、施設効率を改善する必要がある。施設利用率が低いことについては過疎化、人口減等による影響が大きいと考える。本市の公共下水道事業は平成の大合併以前よりそれぞれ施設整備を進め、合併後は一部未整備地域の整備に取り組む等により高い水洗化率となっている。
老朽化の状況について
平成7年12月の供用開始以来20年が経過し施設の老朽化が進行しているので、計画的な施設更新を行う必要がある。
全体総括
本市の公共下水道事業は、使用料収入の伸びを期待できない状況にある一方で、施設建設から年月が経過するに伴い、施設の老朽化が進行しており、施設の長寿命化、予防保全等、維持管理、施設更新を強化する必要があり、引き続き厳しい状況にある。このため旧町を超えた処理区の統廃合や、公共・特環・農集等の事業種別を超えた処理区の統廃合を視野に入れ、積極的な事業を推進し、経営の効率化を図っていく。また、公企業会計の導入にあわせ経営計画等を策定し、今後の健全経営につなげる。