地域において担っている役割
地域医療支援病院として、かかりつけ医との紹介・逆紹介を推進するとともに、市内で唯一の二次救急医療機関として救急医療の提供や、地域の医療従事者に対する研修の実施等により地域全体での医療レベルの向上に努めている。また、大阪府がん診療拠点病院として、国指定の拠点病院と連携し、5大がんを中心とした治療水準の向上や、緩和ケアの充実、患者・家族等に対する相談支援を行い、地域でのがん医療の充実に努めている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は平均値を下回り、医業収支比率が平均値を概ね上回っているのは、当院が繰入金に依存しない運営を行っているからである。病床利用率、入院患者1人1日当たり収益、材料費対医業収益比率は、平均値よりも良好な値を示しているが、平成28年度は診療報酬改定の影響や平均入院日数短縮による病床利用率の低下により入院収益が悪化したため、結果として経常収支比率が大幅に平均を下回っている。
老朽化の状況について
建設から35年が経過していることから、有形固定資産減価償却率、機械備品減価償却率とも平均値を上回っており、老朽化が進んでいる。1床当たり有形固定資産が平均を上回っているのは、平成8年にリハビリテーション棟を増築した際に、リハビリテーション室や研修室など比較的余裕のある施設配置をしたことによるためである。
全体総括
平成28年度に病床利用率が86.4%まで低下し、経常収支比率も88.7%となり大幅な赤字を計上した。このため、平成29年2月に従来の改革プランを見直し、「新・市立病院改革プラン」を策定して経営改革に取り組んでいる。また、施設の老朽化が進んでいることから、平成28年度からリニューアルの調査検討に着手し、平成29年度に移転建替の方針を決定したところである。建替にあたっては、1床当たり有形固定資産の指標にも注目し、過剰な投資とならないように配慮し、効率的な運営ができる施設を整備していく。