地域において担っている役割
市唯一の公立病院として救急医療、周産期医療、小児医療などの政策医療を担っている。また、がんや脳卒中、急性心筋梗塞など地域において医療ニーズが高まっている疾患への対応の充実を図りながら急性期病院としての役割も果たしている。
経営の健全性・効率性について
平成23年度以降、経常収支比率が100%を上回り、医業収支比率では100%に近くになり、累積欠損金もなく経営の健全性を確保できている。これは、医師や看護師等の職員数の確保による医療機能と診療体制の充実により、手術件数・放射線治療件数の増加や循環器系疾患への治療・検査の診療単価が上昇したことによるものである。一方、高度医療を推進する中で、材料費は年々増加しており、材料費対医業収益比率は上昇を続け、平均値を上回っている。
老朽化の状況について
平成16年度に新病院を開院して10年以上が経過していることから、有形固定資産減価償却率については上昇傾向にあり、平均値を上回っているが、医療機器については順次更新を行っているため、機械備品減価償却費率は下降傾向にあり、平均値を下回っている。1床当たりの有形固定資産においては、高度医療推進のために積極的な設備投資を進めていることから、平均値を上回っている。
全体総括
新公立病院改革プランにあたる八尾市立病院経営計画(Ver.Ⅱ)に基づき病院運営を行っており、現状では健全経営が確保できているといえる。しかし、地域医療構想の影響や消費税の増税など病院をとりまく環境が今後より一層厳しくなることが想定されている中で、施設や設備の改修等を計画的に進めていく必要があることから、健全経営を継続するためには、さらなる経営改善に努めていく必要がある。