経営の健全性・効率性について
【公共下水道事業は、合併前の旧員弁町、大安町の区域の下水道事業で、旧北勢町、藤原町区域の特定環境保全公共下水道事業と一体的に経理(会計)し、どちらも同じ流域下水道の浄化センターで処理しています。整備した事業名が違うことで別々に区分して分析することは実態に合わないことから一括して記載します。】収益的収支比率が90~100%以下、経費回収率が70%程度で推移し、一般会計からの繰入金に依存しているのが現状です。今後は人口も減少に向かうと想定され、水洗化率も93%程度あるうえ未接続者の多くは高齢者世帯等で水洗化が図られたとしても使用料収入の伸び期待できません。このことからも現行の使用料水準では収入の大幅な増加は見込めません。また、経費の大半は借入金利息と流域下水道維持管理費等負担金であることから、大きな改善(削減)は見込めません。汚水処理原価については、類似団体と比較しても大きく下回っていることからこれ以上の削減は難しいのが現状です。
老朽化の状況について
古い管路でも供用開始から約20年が経過したところであり、現時点で更新が迫られているものはありません。ただ、マンホールポンプが多いことから、電気、機械設備の更新は計画的に行う(すでに一部更新を始めている)必要があり、管路についても硫化水素による腐食が考えられることから、内部調査等により状況を把握し、その結果によってどのように施設の更新(更生)を図っていくかということが重要です。
全体総括
単純に独立採算の公営企業として経営分析した場合、使用料の改定(30%以上の値上げ)は避けて通れません。反面、公共用水域の水質と地域の住環境改善を目的に農業集落排水事業合わせて市内住宅地の大半を整備し、他の公共事業に比べても老若男女を問わず市民のほとんどが公平に恩恵を受けている事業で、使用料の値上げと一般会計からの繰入金のどちらを選択するかということに尽きます。