地域において担っている役割
外来診療においては内科~歯科口腔外科まで25診療科の外来を行っている。入院診療については、一般病床、地域包括ケア病床、回復期リハビリテーション病床、医療療養型病床、緩和ケア病床を有し、附帯事業として訪問リハビリ、訪問看護を展開し、入院から退院、退院後の在宅生活への医療・介護の提供を行い、患者様のトータルケアを目指す諏訪圏~八ヶ岳西麓の医療を支える中核的な総合病院。
経営の健全性・効率性について
②の医業収支に関しては95.7%と平均値89.6%を上回っているが、他会計からの繰入も含めた経常収支は、平均値を下回っている。③の累積欠損金比率は15.5%で平均値80.7%を大幅に下回っている。④の病床利用率は90.3%で平均値73.5%を大幅に上回っており患者が多いことがわかる。反面⑤・⑥の患者1人1日当たりの収益は、平均値を下回っているため、今後単価をあげていくことが重要となっている。①・②について、患者数は前年度より伸びているものの診療報酬単価が低く、給与費等費用の伸びを賄うまでの収益につながらなかったため、医業収支では微弱だが悪化している。経常収支にあっては医業外収益の増により前年度よりは改善している。今後は更なる患者の確保、診療単価の増、手術件数の増により改善を図っていく。
老朽化の状況について
①の有形固定資産減価償却率は32.4%で平均値50.9%を大きく下回っている。②の器械備品減価償却率は39.3%で平均値66.8%を大きく下回っている。③の1床当たりの有形固定資産はほぼ平均値並みである。③の1床あたりの有形固定資産がH28年度より急にあがっているのは、平成25年より第3期増改築工事が行われており、H28年度に完了。その間は建物仮勘定にて処理されており、H28年度末に仮勘定を精算し、資産取得処理を行ったため。
全体総括
医業収支比率95.7%、病床利用率90.3%であり、患者数が多く、保有する医業資源を有効に活用した収益は確保できているが、患者1人1日当たりの収益が低いため、費用に見合う収益が確保できていない。病床規模に比べて医師等の確保もできていることから収益に対する給与費比率が高くなっている。患者1日当たりの収益向上のため、開業医への逆紹介を積極的に推進し、紹介患者を中心とした外来診療へ多少なりともシフトしていく必要性がある。また外来と入院をトータル的に捉えた効率的な診療プロセスを推進する。老朽化の状況については、現在大きな問題等はないと考える。以上のことから患者単価をあげること及びその他医業外収益の増での収益増を図ると共に、給与費・その他の費用を抑制し収支バランスの均衡を図っていく。