地域において担っている役割
上伊那地域の基幹総合病院として、救急医療、高度・専門医療など病気の急性期における診療を主体としており、救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院、地域周産期母子健康センター、臨床研修病院、災害拠点病院、第二種感染症指定医療機関などに指定されています。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は100%を超えて推移しており、②医療収支比率も類似病院平均を上回っていますが、ここ2~3年は積極的な施設・設備への投資を行っており、下降気味です。③累積欠損金比率は解消(0%)に向けて推移しています。④病床利用率は80%以上を確保し、類似病院平均と比較しても、施設が有効に利用されていると言えます。⑤入院患者1人1日当たり収益は類似病院平均を大きく超え、安定した収入を確保しています。⑥外来患者1人1日当たり収益は増加を続けていますが、平成28年度は類似病院平均を下回りました。⑦職員給与費対医業収益比率は、医療体制の充実に伴い増加傾向にあります。⑧材料費対医療収益比率は22%前後で推移しており、類似病院平均を下回っています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、平成15年の開院から14年経過と、建物が比較的新しい状態であるため、ゆるやかに上昇しているものの50%を下回っています。②機械備品減価償却率は、計画的な更新により平成25年以降は60%台で推移しています。③1床当たり有形固定資産は、類似病院平均と比較して高い傾向にあります。これは、建物等施設が比較的新しいことや、放射線診断・治療など高度・専門医療を提供するために必要な高額医療機器の導入による影響と考えられます。
全体総括
単年度収支は黒字を継続し、累積欠損金は減少に向かっており、経営状況は順調に推移しています。しかし、診療体制の充実を図るため、近年は積極的な投資を行っており、今後数年は人件費や減価償却費の上昇などにより、単年度収支の赤字、累積欠損金の増加が見込まれます。投資規模の慎重な検討や、医療収益の更なる確保に向けた高度急性期病院としての施設基準、加算の取得に努めます。