地域において担っている役割
富士北麓地域において唯一の公立病院であり、救急医療・高度医療といった不採算部門を抱えるほか、地域がん診療連携拠点病院・地域災害拠点病院等として、当地域の中核的役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
本年度は定年退職者の増により、経常収支比率が大きく落ち込んだが、累積欠損金比率や病床利用率などは類似団体と比較すると概ね良好であり、健全性は保たれていると言える。患者1人1日あたり収益は入院・外来ともに前年度よりは改善しているが、類似団体と比較すると依然として大きく下回っている。また、職員給与費対医業収益比率は前年度から大きく増加しており、こうした状況から非効率な運営となっているということが言える。収支構造を分析し、収益の確保対策や経費の抑制対策を講じていき、健全で効率的な経営を行っていきたい。
老朽化の状況について
減価償却率については平成26年度に行われた公営企業会計制度の大幅な改正によって、同年度から比率が大きく伸びている。本院は当該地に移転してから18年が経過し、施設や医療機器等の老朽化が進んでおり、類似団体と比較しても老朽化の進捗度合いが高くなっている。医療の停滞を招かないよう、今後も引き続き更新・整備を図っていく。
全体総括
累積欠損金比率が非常に低いことや病床利用率が高いこと等から、一定の健全性は確保されている。しかしながら、上述のとおり非効率な病院経営となっており、将来的な見通しが良いとはいえない。今後、施設の老朽化に伴う更新。修繕費用の増加や退職給付引当金の計上、さらには平成31年10月に予定されている消費増税など、多大な費用を要することが見込まれていることから、経費の節減対策を実施すると同時に、着実な収益の確保を図ることで、経営の健全化に努めていきたい。