経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率及び⑤経費回収からわかるように、両方が100%未満であり、経費回収率は30%にも満たない。そのため、現在の収益で営業費を賄えていないことがわかる。当町では、それを補うため、一般会計からの補填が無ければ総費用を賄うことができない経営状況にある。今後は、⑧水洗化率90%を超えているが、集落排水の統合や未水洗化世帯の加入者増と料金の見直しによる使用料収入の増を目指すと同時に、維持管理費等の営業費用の可能な限りのコスト縮減等に努めることが何よりも重要である。⑥汚水処理原価についても、類似団体の平均値より上回っているため、前述同様に手立てを講じていく。ただし、当町の放流先は閉鎖性水域であり、放流水質の制限が厳しく、高度処理にて処理水を放流してるため、施設維持管理の費用が高額になるのは否めない。⑦施設利用率については、今後、集落排水の統合等が完了すれば、現在よりも施設利用率は上がると考えられる。それ以外についても、④企業債残高対事業規模比率は、建設時に掛かった企業債が全国平均より大きく、当町の下水道事業収益を大きく圧迫しているが、計画通りに償還が終われば、無理のない事業運営ができるものと考えられる。
老朽化の状況について
公共下水道は平成11年4月の供用開始であり、管路整備は平成5年度より実施している。その管路の耐用年数は50年と長く、管路施設がまだ耐用年数に満たないことから、現状として管渠の更新・老朽化対策は行っていない。今後、長寿命化計画を検討し、効率のよい更新・改築を行う予定であるが、事前点検等で管渠の管理を行い、状況に応じて更新を実施する。
全体総括
施設は比較的に新しいが、経費回収率や施設利用率から見ると、整備した施設が現状では適切な料金収入と結びついていないため、営業費は、一般会計繰入金からの補填に頼らざる得ない状況にある。今後は、施設運転等の効率を改善するとともに、使用料金の見直しや運営体制のあり方、投資のあり方を見直す必要がある。また、企業債の償還についても引き続き、計画的な償還を行う。維持管理については、策定済みの施設長寿命化計画に基づき修繕を行い、適切に無駄のない事業運営を図る。