経営の健全性・効率性について
類似団体に比べ、汚水処理原価は高め、経費回収率は低め、施設利用率も低めであることから、類似団体に比べ小規模世帯が多く、維持管理費の割には料金収入が少ない状況にある。特に経費回収率は約50%と他事業に比べ半減している。これは、設置費用は比較的少額であるが相対的に維持管理費用が高額となる浄化槽という事業特融のものであり、類似団体と極端に相違するものではない。また、企業債残高対事業規模比率は低下傾向にある。これは新規設置が減少し維持管理を主とする時期に入ったためであり、今後もこの傾向は継続するものと思われる。水洗化率が平成26年度に減少しているのは、集計方法の変更によるものであり、整備世帯・使用世帯については大幅な変動はない。
老朽化の状況について
浄化槽の設置は平成12年度からであり、浄化槽本体は比較的長寿命であると見込まれる事から、当面浄化槽本体についての更新等は不要であり、ブロワ―交換等の維持管理が主となる。
全体総括
他団体に比べ汚水処理原価が高く、経費回収率は低い傾向にある。これは、郊外の少人数世帯がより多く、使用料が少なめである事が原因と思われ、この傾向は続くものと思われる。下水道事業は、市民生活の根幹にかかわる社会インフラであり高額な投資を要するが、料金面では市民生活への影響が大きい事から値上げは困難であり、必ずしも経営面で健全であることは困難であるが、今後も出来るだけ効率的な維持管理に努めることとしたい。