経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は67.02%となっているが、これは建設当初に借り入れた起債の償還額が大きく償還期間が30年であることから減価償却額を上回っているためと思われる。これについては資本費平準化債を活用するなどして対応している。また経費回収率は類似団体の平均は上回っているものの81.32%であり、今後料金改正を含め経費の削減など、回収率を上げていけるよう努力していく必要がある。処理場が2つあること、ポンプ場の数が多いことなどから汚水処理原価は平均よりも高くなっている。これは地理的制約のためやむを得ないことであるが、より一層の経費削減を図る必要がる。施設利用率が50%をやや上回る程度であるのは、当町が観光を基幹産業としているため、観光客の増にも対応できるだけの余裕を施設に確保しているためである。使用料収入の大部分がホテル、保養所などの観光客由来のものだが、水洗化率は対住民人口で算出されているためやや低めで算出されている。
老朽化の状況について
下水道管路施設は99㎞に達しており、下水道の普及促進とともにこれまで整備してきた管路施設の老朽化対策も行っていく必要がある。管路施設においてストックマネジメントの考え方を導入し、施設の延命化と維持管理や改築事業に要する費用の標準化等による長期的な管理経費の抑制を図るため、予防保全型の施設管理を基本とした投資計画の必要がある。
全体総括
現在の経営状態の中で、さらに施設の老朽化対策や流域への加入に係る建設費などが予定されている。今後料金改定を含め、維持管理費用の削減、水洗化率の向上など経営状態の改善に向けて経営計画の見直しを図り努力をしていく必要がある。